測量の法規・測量の基準の用語集(図解)|35語 | 残土バンク
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測量の法規・測量の基準の用語集(図解)35語

測量法のしくみ、測量標と測量成果、公共測量の手続き、そして位置と高さの基準(測地系・原点)。

印刷・社内配布は自由です。出典に「残土バンク https://www.zandobank.com/words/c/sokuryo-hoki」とお書きください。

測量法のしくみ10語

  • 測量法基本測量公共測量測量標測量士測量業者の登録

    そくりょうほう

    測量法

    国や公共団体がお金を出して行う測量や、その結果を使う測量について、実施の基準と手続きを決めた法律(昭和24年)。測量の重複をなくし、正確さを確保し、測量業の健全な発達を図ることが目的です。

    勘違いしやすい:測量法はすべての測量を縛るわけではない。建物の測量などの局地的な測量や、高い精度の要らない測量の一部は、政令で対象から外されている。

  • 電子基準点三角点水準点国土地理院が行うすべての測量の基礎

    きほんそくりょう

    基本測量

    すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院が行うもの。全国の三角点・水準点・電子基準点の設置や観測、地形図などの作成がこれにあたります。

    勘違いしやすい:「基本的な測量」という意味ではなく、国土地理院が行う測量だけを指す法律上の言葉。

  • 国・県・市町村費用を負担・補助公共測量基本測量の成果に基づく

    こうきょうそくりょう

    公共測量

    基本測量以外の測量のうち、国や公共団体が費用の全部または一部を負担・補助して行う測量など。都道府県・市町村・国の事務所が発注する工事の測量の多くがこれにあたります。

    勘違いしやすい:国や自治体の事業でも、建物の測量など政令で除かれた局地的な測量は公共測量にならない。また、補助を受けた民間の事業でも、大臣の指定を受ければ公共測量になる。

  • 基本測量の成果公共測量の成果それ以外の測量(民間など)成果を使うなら承認が要る

    きほんそくりょうおよびこうきょうそくりょういがいのそくりょう

    基本測量及び公共測量以外の測量

    基本測量や公共測量の測量成果を使って行う、それ以外の測量。民間の開発事業などで、国土地理院の基準点や公共測量の成果を使う測量がこれにあたります。

    勘違いしやすい:名前が長いので「その他の測量」と略されることがあるが、法律上はこの名前。測量成果を使わない純粋な民間の測量は含まれない。

  • 測量計画機関(発注者:国・県・市)委託作業機関作業規程計画書計画を立てる側

    そくりょうけいかくきかん

    測量計画機関

    公共測量や、基本測量及び公共測量以外の測量を「計画する者」。公共測量なら、発注する国の事務所や都道府県・市町村がこれにあたります。

    勘違いしやすい:実際に現場で測る会社(測量作業機関)とは別。発注者=計画機関、受注者=作業機関、と覚えると混同しにくい。

  • 計画機関委託測量作業機関実際に測る側(測量業者の登録が要る)

    そくりょうさぎょうきかん

    測量作業機関

    測量計画機関の指示や委託を受けて、実際に測量作業をする者。公共測量を受注した測量会社がこれにあたります。

    勘違いしやすい:測量作業機関として仕事を請け負うには、測量業者の登録が必要。

  • 測量の計画測量士計画を作る・実施計画に従う測量士補計画に従って従事

    そくりょうし

    測量士・測量士補

    基本測量や公共測量に技術者として従事するために必要な国家資格。測量士は測量の計画を作り、または実施する人、測量士補は測量士が作った計画に従って測量に従事する人です。

    勘違いしやすい:測量士に「1級・2級」はない。資格は測量士と測量士補の2つ。計画を作れるのは測量士だけ。

  • 測量業者登録大臣登録5年更新の登録満了前に申請する

    そくりょうぎょうしゃ

    測量業者(登録)

    測量業を営むために、国土交通大臣の登録を受けた者。登録には有効期間があり、続けて営業するには更新の登録が必要です。

    勘違いしやすい:更新を忘れると登録が切れ、測量業を営めなくなる。満了前に更新の申請をする。

  • 本店支店営業所営業所ごとに測量士1人以上

    えいぎょうしょごとのそくりょうしのせっち

    営業所ごとの測量士の設置

    測量業者は、営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない、という決まり(測量法第55条の13)。

    勘違いしやすい:置くのは「測量士」で、測量士補では足りない。

  • 公共の安全を優先法令を守る成果を改ざんしない秘密を守る

    ぎじゅつしゃりんり

    技術者倫理

    技術者として守るべき考え方。公共の安全と利益を優先する、法令を守る、事実をゆがめない、能力の範囲で仕事をする、知り得た秘密を守る、などです。測量士・測量士補の試験でも出題範囲に含まれています。

    勘違いしやすい:「発注者の言うとおりにする」ことが倫理ではない。公共の安全や正確さと矛盾するなら、説明して正すのが技術者の役目。

測量標と測量成果9語

  • 永久標識一時標識仮設標識標石など測標・標杭 標旗・仮杭

    そくりょうひょう

    測量標

    測量の目印として設置するもの。法律では、永久標識・一時標識・仮設標識の3つに分けています。

    勘違いしやすい:基本測量の測量標を、国土地理院の長の承諾なしに動かしたり汚したりしてはいけない(工事の支障になるときは移転の手続きをとる)。

  • 標石の頭の十字が基準地中に埋めて長く残す

    えいきゅうひょうしき

    永久標識

    長く残すために設置する測量標。三角点・図根点・方位・水準点・磁気点などの標石や、その代わりに置く恒久的な標識(験潮儀・験潮場を含む)がこれにあたります。

    勘違いしやすい:永久標識の上や近くで工事をするときは、壊さないように養生し、支障があるなら事前に移転の手続きをとる。

  • 標杭測標測量の期間中だけ使う

    いちじひょうしき

    一時標識

    測量の間だけ使う測量標で、測標と標杭がこれにあたります。

    勘違いしやすい:永久標識より短い期間のものだが、仮設標識(標旗・仮杭)よりは本格的なもの。3つの区分を順番で覚える:永久 → 一時 → 仮設。

  • 標旗仮杭作業が終われば撤去

    かせつひょうしき

    仮設標識

    測量の作業中に一時的に使う、いちばん簡単な測量標。標旗と仮杭がこれにあたります。

    勘違いしやすい:工事の丁張の杭は、測量法の測量標ではなく工事用の目印。言葉が似ていても別物。

  • 勝手に動かさない支障があれば国土地理院に相談

    そくりょうひょうのほぜん

    測量標の保全

    何人も、国土地理院の長の承諾なしに、基本測量の測量標を動かしたり、汚したり、その働きを害することをしてはならない、という決まり(測量法第22条)。

    勘違いしやすい:「工事のためだから」は理由にならない。無断で動かすと罰則の対象になりうる。

  • 三角点使用承認承認

    そくりょうひょうのしようしょうにん

    測量標の使用承認

    基本測量以外の測量で、国土地理院の三角点や水準点などの測量標を使うときは、国土地理院の長の承認を得る、という決まり(測量法第26条)。

    勘違いしやすい:測量標そのものを「使う」承認と、測量成果(座標や標高の値)を「使う」承認は別の手続き。

  • 測量記録途中の記録(手簿・計算簿)測量成果座標・標高地図など最終の結果

    そくりょうせいか

    測量成果・測量記録

    測量成果は、その測量で最終の目的として得た結果(座標・標高・地図など)。測量記録は、成果を得る途中で作った作業記録(観測手簿・計算簿など)です。

    勘違いしやすい:成果だけでなく途中の記録も大事な提出物。記録がないと、成果が正しいことを後から確かめられない。

  • 基本測量の地図複製承認承認

    そくりょうせいかのふくせいしょうにん

    測量成果の複製承認

    基本測量の測量成果(地図・成果表・写真など)を、測量に使ったり、刊行したり、ネットで公開したりするために複製するときは、あらかじめ国土地理院の長の承認を得る、という決まり(測量法第29条)。

    勘違いしやすい:国土地理院のウェブサイトの説明文などはコンテンツ利用規約で使えるが、地図・空中写真などの「測量成果」は測量法の承認の対象になりうる。両者を混同しない。

  • 基本測量の成果国土地理院の承認公共測量の成果計画機関の承認使った旨を成果に明示する

    そくりょうせいかのしようしょうにん

    測量成果の使用承認

    基本測量の測量成果を使って別の測量をするときは国土地理院の長の承認(第30条)、公共測量の測量成果を使うときはその成果を得た測量計画機関の承認(第44条)が要る、という決まり。

    勘違いしやすい:承認先が違う:基本測量の成果は国土地理院、公共測量の成果はそれを作った計画機関(県・市など)。

公共測量の手続き7語

  • 作業規程観測機械観測法計算法承認国土交通大臣

    さぎょうきてい

    作業規程

    公共測量で使う観測機械の種類、観測のやり方、計算のやり方などを決めた決まり。測量計画機関が定め、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けます(測量法第33条)。

    勘違いしやすい:作業規程を変えるときも、改めて承認が要る。

  • 作業規程の準則基準点測量水準測量地形測量写真測量応用測量お手本作業規程最終改正 令和7年(2025年4月施行)

    さぎょうきていのじゅんそく

    作業規程の準則

    作業規程のお手本として国土交通大臣が定めるもの(測量法第34条)。基準点測量・水準測量・地形測量・写真測量・応用測量などのやり方と精度を細かく決めています。

    勘違いしやすい:準則は改正される。古い版の数値や手順のまま作業しない。発注者の作業規程(準則を準用など)も確かめる。

  • 計画書目的・地域期間精度・方法提出国土地理院技術的助言

    こうきょうそくりょうのけいかくしょ

    公共測量の計画書と技術的助言

    測量計画機関が公共測量をするときは、あらかじめ目的・地域・期間・精度・方法を書いた計画書を国土地理院の長に出して、技術的助言を求める、という決まり(測量法第36条)。

    勘違いしやすい:計画書を出すのは計画機関(発注者)で、作業機関(受注者)ではない。ただし実務では受注者が資料づくりを手伝うことが多い。

  • 成果の写し送付国土地理院審査して通知公表

    そくりょうせいかのていしゅつ

    測量成果の提出と審査

    測量計画機関は公共測量の成果を得たら、遅滞なくその写しを国土地理院の長に送り、国土地理院はそれを審査して結果を通知する、という決まり(測量法第40条・第41条)。

    勘違いしやすい:審査の対象は「写し」。原本は計画機関が保管する。

  • 観測計算点検成果工程ごとに許容範囲と比べる外れたら再測

    せいどかんり

    精度管理

    測量の各工程で、観測や計算の結果が決められた精度に入っているかを確かめ、記録すること。結果は精度管理表などにまとめて成果と一緒に納めます。

    勘違いしやすい:最後にまとめて確かめるのでは遅い。工程ごとに確認しないと、どこで誤差が入ったか分からなくなる。

  • 製品仕様書⇔品質評価表位置の正確さ漏れ・余分属性

    ひんしつひょうか

    品質評価

    できあがった測量成果が、製品仕様書で決めた品質を満たしているかを評価すること。結果は品質評価表にまとめます。

    勘違いしやすい:精度管理(工程ごとの確認)と品質評価(できあがりの評価)は別のもの。両方そろえて納める。

  • 測量成果メタデータいつ・どこで誰が方法・精度座標系

    めたでーた

    メタデータ

    測量成果そのものではなく、その成果を説明する情報。いつ・どこで・誰が・どんな方法と精度で作ったか、どの座標系か、などを書きます。

    勘違いしやすい:座標系や作成時期が書かれていないデータは、後から正しく使えない。メタデータも成果の一部と考える。

測量の基準9語

  • 経緯度(世界測地系)平均海面からの高さ測量の基準(測量法第11条)

    そくりょうのきじゅん

    測量の基準

    基本測量と公共測量が従わなければならない共通の物差し(測量法第11条)。位置は経緯度と平均海面からの高さで表す、距離と面積は回転楕円体の表面上の値で表す、原点は日本経緯度原点と日本水準原点、などが決められています。

    勘違いしやすい:距離や面積は「楕円体の表面上の値」が基準。現場で測った水平距離とは、縮尺係数や高さの分だけ違うことがある。

  • 地球の重心楕円体の中心=地球の重心日本は2002年に旧日本測地系から切り替え

    せかいそくちけい

    世界測地系

    地球を、決められた大きさ・扁平率の回転楕円体と考え、その中心を地球の重心に合わせて、経緯度を測る基準。測量法は、経緯度を世界測地系に従って測るよう定めています。

    勘違いしやすい:旧日本測地系と世界測地系では、同じ地点の経緯度が数百m分ずれる。古い成果を使うときは、どちらの測地系かを必ず確かめる。

  • JGD2011名前だけ変更JGD2024経緯度・平面直角座標の数値は同じ標高の決め方は同時に変わった2025年4月1日〜(ITRF に基づく・GRS80)

    にほんそくちけい2024

    日本測地系2024(JGD2024)

    日本の現在の測地系の名前。国際的な基準(ITRF)に基づく世界測地系で、楕円体はGRS80です。2025年4月1日に「日本測地系2011(JGD2011)」から名前が変わりました。

    勘違いしやすい:名前が変わっただけで、経緯度・平面直角座標の数値は変わっていない。一方、同じ時期に標高の決め方(ジオイド2024を使う方式)は変わったので、標高は別に確認する。

  • 長半径6,378,137 m扁平率1/298.257222101

    じーあーるえすはちまる

    GRS80楕円体

    日本の測地系が使っている地球楕円体(測地基準系1980)。地球を、赤道方向に少しふくらんだ回転楕円体として表したものです。

    勘違いしやすい:旧日本測地系はベッセル楕円体(長半径6,377,397.155m)。楕円体が違うので、新旧の座標をそのまま混ぜない。

  • YZX地心直交座標

    あいてぃーあーるえふ

    ITRF(国際地球基準座標系)

    地球の重心を原点とする、国際的に決められた三次元の座標系。VLBIやGNSSなどの観測をもとに作られ、日本の測地系(JGD2024)はこれに基づいています。

    勘違いしやすい:プレート運動で地面は少しずつ動くので、同じ点でも年によって ITRF 上の座標が変わる。測量では日本の測地系の元期の値に合わせる補正をする。

  • 日本経緯度原点(港区麻布台)東経139°44′28.8869″北緯35°39′29.1572″経度・緯度・原点方位角

    にほんけいいどげんてん

    日本経緯度原点

    日本の経緯度の基準となる点。東京都港区麻布台にあり、経度・緯度と、そこから見た方位(原点方位角)の値が政令で決められています。

    勘違いしやすい:経緯度の原点と、高さの原点(日本水準原点)は別の場所。経緯度原点は港区、水準原点は千代田区。

  • 東京湾平均海面(0m)24.3900m日本水準原点(千代田区永田町)

    にほんすいじゅんげんてん

    日本水準原点

    日本の高さ(標高)の基準となる点。東京都千代田区永田町にあり、東京湾平均海面からの高さが政令で決められています。

    勘違いしやすい:水準原点の高さは0mではない。0mは東京湾平均海面で、原点はそこから24.39mの高さにある。

  • 地表ジオイド(≒東京湾平均海面)楕円体標高 = 楕円体高 − ジオイド高(2025年4月から)

    とうきょうわんへいきんかいめん

    東京湾平均海面(標高の基準)

    日本の標高0mの基準になっている海面の高さ。測量法でいう「平均海面からの高さ」は、この東京湾平均海面からの高さです。

    勘違いしやすい:「海抜」と言っても、近くの海の海面からではなく、東京湾平均海面を基準にした全国共通の高さ。離島などでは独自の平均海面を使っている場合がある。

  • X(北)Y(東)全国19系・縮尺係数0.9999

    へいめんちょっかくざひょうけい

    平面直角座標系

    地球の丸い表面を、地域ごとに平面に写して、原点からの距離(X・Y、単位m)で位置を表す座標系。日本全国を19の系に分けています。

    勘違いしやすい:数学のグラフとは逆で、X軸が北(縦)、Y軸が東(横)。Xを横軸にして描くと図面が90度回ってしまう。

定義は公的機関の公開資料をもとに残土バンク編集部が書いています(各語に出典と確認日)。発注者の仕様書・基準が優先します。誤りに気づいた方は info@zandobank.com へ。