現場用語集 › 施工管理・法令
労働と働き方の用語集(図解)19語
現場で働く人の時間・休日・賃金・保険の決まり。36協定と時間外労働の上限(建設は2024年4月から)、割増賃金、労災の元請一括と一人親方、社会保険、建退共、CCUS、週休2日まで。
印刷・社内配布は自由です。出典に「残土バンク https://www.zandobank.com/words/c/rodo」とお書きください。
労働時間と休日8語
ほうていろうどうじかん
法定労働時間
法律で決められた労働時間の上限。休憩時間を除いて1週40時間、1日8時間を超えて働かせてはいけません(労働基準法第32条)。
勘違いしやすい:会社が決める所定労働時間とは別物。所定が7時間なら、8時間までの残業は法定時間外にならない。
きゅうけいじかん
休憩時間
労働時間が6時間を超えるときは45分以上、8時間を超えるときは1時間以上、労働時間の途中に与える休憩(労働基準法第34条)。
勘違いしやすい:一斉に与えない場合は、労使の書面の協定が必要。
ほうていきゅうじつ
法定休日
毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上与えなければならない休日(労働基準法第35条)。
勘違いしやすい:法定休日として必要なのは週1日(または4週4日)。会社が決めたそれ以外の休日は、法定休日とは別に扱われる。
さぶろくきょうてい
36協定(時間外・休日労働の協定)
法定労働時間を超えたり法定休日に働かせたりするために、労働者の過半数で組織する労働組合または過半数代表者と書面で結び、行政官庁に届け出る協定(労働基準法第36条)。
勘違いしやすい:協定を結んでも届け出ていなければ、時間外労働はさせられない。
じかんがいろうどうのじょうげんきせい
時間外労働の上限規制
36協定で延ばせる時間の上限。原則は月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情があっても年720時間以内、休日労働を含めて月100時間未満、2〜6か月の平均80時間以内に限られます(労働基準法第36条)。
勘違いしやすい:災害の復旧・復興の事業には、月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の規制は当分の間適用されない。
じどうしゃうんてんのぎょうむのじょうげん
自動車運転の業務の上限
トラック運送など、自動車の運転の業務に当分の間適用される時間外労働の上限。年960時間以内とされています(労働基準法第140条)。
勘違いしやすい:どの運転者が対象になるかは厚生労働省令で決まる。建設会社の自社のダンプ運転者が当たるかは個別に確かめる。
ねんじゆうきゅうきゅうか
年次有給休暇
雇い入れから6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤した労働者に与える、賃金が支払われる休暇。最初は10労働日です(労働基準法第39条)。
勘違いしやすい:請求された時季に与えると事業の正常な運営を妨げる場合だけ、使用者は時季を変えられる。
しゅうきゅうふつか
週休2日(直轄工事)
国交省の直轄工事で進めてきた、現場を週2日休みにする取り組み。令和8年度からは、週休2日や交替制など地域や現場に合った方法で多様な働き方を進める方針です。
勘違いしやすい:週休2日の取得に要する費用を計上する試行は令和8年度から終わり、費用の計上はしない。令和8年3月31日までに公告した工事は旧通知による。
賃金と保険7語
わりましちんぎん
割増賃金(労働基準法)
時間外・休日・深夜に働かせたときに払う上乗せの賃金。時間外は2割5分以上、休日は3割5分以上、深夜(22時〜5時)は2割5分以上です(労働基準法第37条、割増賃金令)。
勘違いしやすい:割増賃金の基礎には、家族手当や通勤手当などは入れない。
ろうどうじょうけんのめいじ
労働条件の明示
労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を労働者に示す義務。賃金と労働時間などは厚生労働省令で決めた方法で示します(労働基準法第15条)。
勘違いしやすい:示された条件が事実と違えば、労働者はすぐに契約を解除できる。
ろうさいほけんのうけおいじぎょうのいっかつ
労災保険の請負事業の一括
建設の事業が何次もの請負で行われるとき、全体を一つの事業とみなして元請負人だけを労災保険の事業主とする決まり(労働保険徴収法第8条、同法施行規則第7条)。
勘違いしやすい:下請負人を元請負人とみなすには、元請と下請が申請して厚生労働大臣の認可を受ける必要がある。
ろうさいほけんのとくべつかにゅう
労災保険の特別加入(一人親方)
労働者ではない一人親方なども、労災保険に任意で入れる制度。土木・建築などの工作物の建設の事業を、労働者を使わずに行う者が対象に含まれます(労災保険法第33条、同法施行規則第46条の17)。
勘違いしやすい:労働者を使って事業を行う事業主は一人親方の区分ではなく、中小事業主などの別の区分で特別加入する。
しゃかいほけんのかにゅう
社会保険の加入(建設業許可の要件)
健康保険・厚生年金保険・雇用保険の適用事業所であるすべての営業所について、加入の届出をしていること。建設業の許可の要件の一つです(建設業法施行規則第7条)。
勘違いしやすい:加入していないと、許可の取得や更新ができない。
ほうていふくりひ
法定福利費
建設工事に従事する者の健康保険料などのうち、事業主が負担する額。材料費等記載見積書に書く「適正な施工に不可欠な経費」の一つです(建設業法施行規則第13条の12)。
勘違いしやすい:公共工事設計労務単価には事業主負担の必要経費は含まれていない。下請代金から値引くのは不当な行為。
けんせつぎょうたいしょくきんきょうさい
建設業退職金共済(建退共)
現場を移り歩く建設労働者のための退職金の制度。事業主が勤労者退職金共済機構に掛金を納め、機構が退職金を払います(中小企業退職金共済法の特定業種退職金共済)。
勘違いしやすい:期間を決めて雇われ、建設業に従事することを常態とする者が対象。
担い手と処遇4語
けんせつきゃりあっぷしすてむ
建設キャリアアップシステム(CCUS)
技能者の資格や現場での就業の経験を登録してためていく仕組み。ためた経験と資格をもとに、技能者の能力を評価します。
勘違いしやすい:能力評価はシステムが自動でするのではなく、分野ごとの能力評価実施団体が行う。
のうりょくひょうか
能力評価(レベル1〜4)
CCUSにためた就業日数・保有資格・職長経験などをもとに、技能者をレベル1〜4に分ける評価。国交大臣が認定した50分野の基準で、各分野の実施団体が行います。
勘違いしやすい:レベルに応じて4段階のカードが発行される。
ろうむひにかんするきじゅん
労務費に関する基準
中央建設業審議会が作成し、実施を勧告できる、建設工事の労務費についての基準(建設業法第34条)。
勘違いしやすい:中央建設業審議会は、工期に関する基準や標準請負契約約款もつくる。
にないてのかくほとてきせいなちんぎん
担い手の確保と適正な賃金(建設業者の責務)
建設業者は担い手の育成・確保に努め、労働者の知識や技能を公正に評価して適正な賃金を払うなど、処遇を確保する措置をとるよう努めること(建設業法第25条の27)。
勘違いしやすい:努力義務だが、下請代金の労務費相当分は現金で払うよう配慮するなど、関連する規定がある。
定義は公的機関の公開資料をもとに残土バンク編集部が書いています(各語に出典と確認日)。発注者の仕様書・基準が優先します。誤りに気づいた方は info@zandobank.com へ。
