コンクリート工の施工手順ガイド(初心者向け・図解)|型枠・鉄筋・打込み・締固め・養生 | 残土バンク
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初めて現場に出る人へ 施工手順ガイド 6

コンクリート工の施工手順ガイド

コンクリートは、土木のほぼすべての構造物に出てきます。型枠で形を作り、鉄筋を組み、練ったコンクリートを時間内に運んで打ち込み、締め固め、養生する。どの工程にも「時間」と「温度」の決まりがあり、それを守るのが現場の仕事です。この章は土が動かない章ですが、擁壁・護岸・堰堤・基礎のすべての前提になります。

1.型枠・支保(かたわく・しほ)

コンクリートを設計の形に固めるための「型」と、それを支える「支え」です。型枠はせき板とそれを保持する部材、支保は型枠と荷重を地盤に伝える仮設です。コンクリートの出来形と表面の良し悪しは、ほぼ型枠で決まります。

手順

  1. 1墨出しをして、型枠を位置・形状・寸法どおりに組む。かどには面取りの型を入れる
  2. 2せき板の継目は部材軸に直角または平行にし、モルタルが漏れない構造にする
  3. 3はく離剤を型枠の内面に均一に塗る(鉄筋に付けない)
  4. 4ボルトや棒鋼で締め付ける。支保の基礎は沈下・不等沈下が起きないようにする
  5. 5取外しは「自重と施工中の荷重に耐える強度」に達してから。時期と順序は供試体の圧縮強度などで計画し、施工計画書に書く
  6. 6取外し後、締付け材の穴・壁つなぎの穴は本体と同等以上のモルタルで補修する

使う機械

クレーン(大型パネル)、電動工具。支保は鋼製支柱・枠組支保工。

現場で見るポイント

  • 締付け材をコンクリート表面に残さない
  • 支保の基礎が沈むと、打込み中に型枠が動く。基礎の地盤と敷板を確認
  • 取外しを急ぐとひび割れ・欠けの原因になる

ここで土が動く

土はほとんど動きません。支保の基礎で地盤を均す程度です。

2.鉄筋工

コンクリートの引張に弱い性質を補う鉄筋を、設計どおりに加工して組み立てる作業です。鉄筋がコンクリートに守られる厚さ(かぶり)と、継手の位置・長さが、構造物の寿命を決めます。

手順

  1. 1鉄筋は地面に直置きせず保管し、屋外ではシートで雨を防ぐ
  2. 2常温で加工する。曲げた鉄筋を曲げ戻さない
  3. 3浮きさび・泥・油を落として、契約図面の位置に、打込み中に動かないよう堅固に組む
  4. 4結束は径0.8mm以上の焼なまし鉄線などで。結束材はかぶりの中に残さない
  5. 5スペーサは側面1㎡あたり2個以上、底面1㎡あたり4個以上。型枠に接するものはコンクリート製かモルタル製
  6. 6重ね継手は設計の長さを重ねて緊結し、同一断面に集めない(ずらす距離は継手長+鉄筋径の25倍以上)

使う機械

鉄筋曲げ機・切断機、クレーン(先組み鉄筋)、ガス圧接の器具。

現場で見るポイント

  • かぶりは「型枠から鉄筋まで」の距離。組立用の鉄筋や配管にも所定のかぶりを取る
  • 上層の組立ては、下層のコンクリート打設後24時間以上たってから
  • ガス圧接は径の差が7mmを超える組合せでは手動圧接しない。雨雪・強風では作業しない

ここで土が動く

土は動きません。

3.運搬・打込み・締固め

工場(または現場)で練ったコンクリートを運び、型枠に流し込み、バイブレータで密実にする作業です。時間と温度の管理が品質を決めます。

手順

  1. 1打込み前に型枠・鉄筋が設計どおりか確かめ、打設場所を清掃し、吸水する面は湿らせる
  2. 2運搬はトラックアジテータで。練混ぜから荷卸しまで1.5時間以内
  3. 3練混ぜから打終わりまで、日平均気温25℃超なら1.5時間以内、25℃以下なら2時間以内
  4. 4自由落下は1.5m以下。一区画の一層は連続して打ち、打上がり面はほぼ水平に。型枠内で横移動させない
  5. 5棒状バイブレータで締め固める。二層に分けるときは、下層が固まり始める前に上層を打ち、バイブレータを下層に約10cm差して一体化
  6. 6壁・柱の後にスラブ・梁を打つ(沈下がほぼ終わってから)。沈下ひび割れはタンピングや再振動で直す

使う機械

トラックアジテータ、コンクリートポンプ車、バケット+クレーン、棒状バイブレータ(薄い壁は型枠バイブレータ)。

現場で見るポイント

  • 打込みは日平均気温4℃超25℃以下が基本。外れるときは暑中・寒中コンクリートの規定
  • ブリーディング水は取り除いてから次を打つ。材料分離を起こさない
  • 1日の打設高さは施工計画書に書き、変えるなら事前に修正する

ここで土が動く

土は動きません。

4.打継目(うちつぎめ)と表面仕上げ

一度に打てない部分の継ぎ目(打継目)の位置と処理、そして表面の仕上げです。打継目は構造物の弱点になりやすいので、位置と処理が決められています。

手順

  1. 1打継目の位置・構造は契約図面どおり。やむを得ず変えるときは監督職員と協議
  2. 2せん断力の小さい位置に設け、打継面は圧縮力の方向と直角に。せん断力が大きい位置ならせん断キーや差し筋で補強
  3. 3新旧の継ぎ目はレイタンスや緩んだ骨材を取り、十分に吸水させてから打つ。必要なら旧面を粗にして接着材を塗る
  4. 4伸縮目地は設計図書による(定めがなければ瀝青系で厚さ1cm、間隔10m程度)
  5. 5せき板に接しない面は、水がしみ出なくなってから仕上げる。豆板や欠けは取り除いて同等品質のモルタルで補修

使う機械

ワイヤブラシ・高圧水(打継面の処理)、こて、トロウェル。

現場で見るポイント

  • 床組みの打継目はスパン中央付近、柱・壁の打継目は床組みとの境付近
  • レイタンスを残して打ち継ぐと、そこから水が入る

ここで土が動く

土は動きません。

5.養生

打ち込んだコンクリートが強度を出すまで、温度と湿り気を保ち、振動や荷重から守る作業です。「打ったら終わり」ではなく、養生で強度と耐久性が決まります。

手順

  1. 1表面が乾かないよう、シート・散水・養生マットで湿潤に保つ
  2. 2湿潤養生の期間(目安):普通ポルトランドなら日平均気温15℃以上で5日、10℃以上で7日、5℃以上で9日。早強は3〜5日、混合B種は7〜12日
  3. 3温度制御養生・蒸気養生など促進養生をするなら、方法を施工計画書に書く。膜養生は監督職員と協議
  4. 4養生中は荷重・振動・急な乾燥と温度変化から守る

使う機械

散水設備、養生シート・マット、冬は保温材・ジェットヒータ。

現場で見るポイント

  • 養生期間はセメントの種類と気温で変わる。表を現場に貼る
  • 夏は乾燥、冬は凍結。どちらも初期の数日が勝負

ここで土が動く

土は動きません。

よくある質問

かぶりとは?なぜ大事?

コンクリート表面から鉄筋までの距離です。かぶりが薄いと、水や空気が鉄筋に届いてさび、コンクリートが割れます。国交省の共通仕様書では、スペーサを側面1㎡あたり2個以上、底面1㎡あたり4個以上入れてかぶりを確保し、組立て完了時に段階確認を受けることになっています。

コンクリートは練ってから何時間以内に打つ?

国交省の共通仕様書では、練混ぜから打終わりまでの時間を、日平均気温が25℃を超えるときは1.5時間以内、25℃以下のときは2時間以内としています。運搬(練混ぜ開始から荷卸しまで)は1.5時間以内です。

養生は何日必要?

湿潤養生の目安は、普通ポルトランドセメントで日平均気温15℃以上なら5日、10℃以上なら7日、5℃以上なら9日です。早強セメントは短く、混合セメントB種は長くなります。

型枠はいつ外せる?

コンクリートが「自重と施工中に加わる荷重を受けるのに必要な強度」に達するまで外せません。具体的な時期は、構造物と同じ条件で養生した供試体の圧縮強度などから計画して、施工計画書に書きます。

土の行き先は、残土バンクで

コンクリート構造物の床掘りや埋戻しで動く土は、土工・基礎工の章で。 国交省の登録簿をもとにした全国の受入地も地図で探せます。投稿・問い合わせ・成立に手数料はかかりません。

参考資料

2026年10月14日時点の公開資料をもとに、残土バンク編集部が構成・図とも独自に作成しました。本文の数値は国土交通省 土木工事共通仕様書(案)に書かれている範囲だけを引用しています。配合・寸法・強度などは設計図書と発注者の仕様書が優先です。