初めて現場に出る人へ 施工手順ガイド 7
道路工(舗装)の工種別 施工手順ガイド
道路は、下から路床・路盤・基層・表層の層で造ります。土の層(路床)は土工、砕石の層(路盤)とアスファルトの層は温度と厚さの管理、そして水を逃がす排水構造物。層ごとに「厚さ・締固め・温度・時間」の決まりがあり、それを順に守ることが道路工事です。
1.路床(ろしょう)・道路土工
舗装の下、約1mの範囲の土の部分です。切土なら地山、盛土なら路床盛土で造ります。舗装の寿命は路床の強さ(CBR)と均一さで決まるので、ここで手を抜くと上の舗装が全部だめになります。
手順
- 1切土・盛土で計画高さまで造る(盛土は層ごとに締め固める。土工ガイド参照)
- 2路床面の浮石・有害物を取り除き、不陸を直す
- 3弱い路床は安定処理(セメント・石灰を混ぜる)か置換(良質土に入れ替える)で改良する
- 4路床面の高さ・平坦性・締固めを確かめてから路盤へ
使う機械
ブルドーザ、モータグレーダ、タイヤローラ・振動ローラ、スタビライザ(安定処理)。
現場で見るポイント
- 路床面や下層路盤面に異常(軟弱・湧水)を見つけたら、直ちに監督職員に連絡して協議(仕様書の規定)
- 雨の後の路床は締まらない。乾くまで待つか改良する
2.路盤工(ろばん)
路床の上に砕石などを敷いて締め固め、舗装の荷重を路床に広げて伝える層です。下層路盤(クラッシャランなど)と上層路盤(粒度調整砕石、セメント・石灰・アスファルトで安定処理した材料)に分かれます。
手順
- 1材料を山にせず均一に敷き均す
- 2下層路盤(粒状材)は一層の仕上り厚20cm以下、上層路盤(粒度調整)は15cm以下(振動ローラなら20cmまで)で、最適含水比付近で締め固める
- 3セメント・石灰安定処理は、水を加えて混合してから2時間以内に締固めを終える(気温5℃以下・雨天は承諾がなければ施工しない)
- 4二層以上のときは、縦継目を一層仕上り厚の2倍以上、横継目を1m以上ずらす。1日の終わりには道路中心線に直角・鉛直な横断目地を設ける
使う機械
モータグレーダ(敷均し)、タイヤローラ・振動ローラ(締固め)、スタビライザ(路上混合)、散水車。
現場で見るポイント
- 含水比が合わないと締まらない。散水か乾燥で調整
- 厚く敷くと下まで締まらない。仕上り厚の上限を守る
- 路盤の面にも排水勾配をつける
ここで土が動く
路盤材は購入材(砕石)が中心で、土はほとんど動きません。再生砕石(コンクリートがらを砕いたもの)を使うことが増えています。
3.アスファルト舗装工
路盤の上に、加熱したアスファルト混合物を基層・表層の順に敷き均して締め固める工事です。熱いうちに均して締めるので、温度と時間の管理が品質を決めます。
手順
- 1表層・基層の前に上層路盤面の浮石などを除き、清掃する(舗装準備工)
- 2プライムコート(路盤の上)・タックコート(層の間)を、面が乾いていることを確かめて散布する。交通開放するプライムコートには粗目砂などを散布
- 3混合物をアスファルトフィニッシャで敷き均す(加熱安定処理の敷均し温度は110℃以上。一層の仕上り厚は10cm以下)
- 4基層・表層は一層の仕上り厚7cm以下。ローラで初転圧→二次転圧→仕上げ転圧
- 5継目は、縦継目を15cm以上、横継目を1m以上ずらし、縦継目は車輪の走る位置を避ける。表層の縦継目はレーンマークに合わせる
- 6舗装表面の温度が50℃以下になってから交通開放する
使う機械
アスファルトフィニッシャ、ロードローラ(マカダム)、タイヤローラ、タンデムローラ、ディストリビュータ(乳剤散布)、ダンプ(混合物運搬)。
現場で見るポイント
- 気温5℃以下では施工しない(承諾を除く)。雨が降り出したら敷均しを中止し、敷いた分は速やかに締め固めて仕上げる
- 出荷温度は承諾した温度の±25℃以内。冷えた混合物は締まらない
- 一時貯蔵ビンに12時間を超えて置かない(劣化防止対策がない場合)
ここで土が動く
土は動きません。古い舗装を切削したアスファルト殻は、再生材として舗装に戻ります。
4.コンクリート舗装工
コンクリートの版で路面を造る舗装です。重い車が多い道路や、トンネル・交差点など耐久性が要る場所に使います。曲げ強度は材齢28日で4.5MPa(設計図書による場合を除く)。版が温度で伸び縮みするため、目地の設計と施工が要点です。
手順
- 1路盤の上に型枠を据え、ダウエルバー・タイバーを目地の位置に組む
- 2コンクリートを敷き均し、締め固め、表面を仕上げる。粗面仕上げはフロート・ハケ・ホーキなど
- 3初期養生:膜養生剤を適切な時期に均一に散布し、三角屋根や麻袋などで十分に養生する
- 4横収縮目地はダウエルバーを使ったダミー目地が標準。間隔は版厚25cm未満で5m、25cm以上で6m(鉄網なしの場合。鉄網ありなら8m・10m)
- 5縦目地は径22mm・長さ1mのタイバー。目地には加熱注入式高弾性タイプの注入材
使う機械
コンクリートフィニッシャ(スリップフォームまたは型枠式)、コンクリートカッタ(目地)、養生設備。
現場で見るポイント
- 目地のカットは、ひび割れが入る前の適切な時期に
- 養生中の温度・乾燥に注意。暑い日は特に
ここで土が動く
土は動きません。
5.排水構造物工・道路付属物工
道路の水を集めて流す側溝・集水桝・管渠と、ガードレール・標識・区画線などの付属物です。舗装の寿命は排水で決まり、安全は付属物で決まります。
手順
- 1側溝・集水桝:床掘り→基礎材→据付け(またはコンクリート打ち)→埋戻し(層ごとに締固め)
- 2管渠:基礎の上に管を据え、管の横・上を傷めないよう締め固めて埋め戻す
- 3防護柵・標識:支柱を建て込み(打込み・コンクリート基礎)、部材を取り付ける
- 4区画線:路面を清掃・乾燥させ、溶融式・ペイント式で引く
使う機械
バックホウ、クレーン(プレキャスト製品)、小型締固め機械、区画線施工機。
現場で見るポイント
- 側溝の勾配を間違えると水が溜まる。据付け前に水糸で確認
- 埋戻しの締固め不足は、舗装後に段差になって現れる
よくある質問
路床・路盤・基層・表層の順番と役割は?
下から、路床(土、舗装を支える)、下層路盤・上層路盤(砕石など、荷重を広げる)、基層・表層(アスファルト、車の荷重と摩耗を受ける)です。荷重は上から下へ広がって路床に伝わるので、どの層も厚さと締固めが決められています。
アスファルトは何度で敷く?いつ交通を通せる?
国交省の共通仕様書では、加熱アスファルト安定処理の敷均し温度は110℃以上、交通開放は舗装表面が50℃以下になってから(監督職員の指示がある場合を除く)としています。
路盤の一層の厚さはどのくらい?
粒状材の下層路盤は一層の仕上り厚20cmを超えない、粒度調整の上層路盤は15cm以下が標準(振動ローラ使用時は20cm)、セメント・石灰安定処理の下層は30cm以下、上層は10cm以上20cm以下(振動ローラなら30cm)です。
道路工事で残土は出る?
路床を造る切土で残土が出て、盛土で土が要ります。側溝や管渠の床掘りでも、構造物の体積ぶんの土が余ります。舗装そのもの(路盤・アスファルト)は購入材なので土は動きません。
土の行き先は、残土バンクで
路床の切土で出る土も、盛土で要る土も、投稿すると近くの相手に自動で届きます。 国交省の登録簿をもとにした全国の受入地も地図で探せます。投稿・問い合わせ・成立に手数料はかかりません。
参考資料
2026年10月14日時点の公開資料をもとに、残土バンク編集部が構成・図とも独自に作成しました。本文の数値は国土交通省 土木工事共通仕様書(案)に書かれている範囲だけを引用しています。配合・寸法・強度などは設計図書と発注者の仕様書が優先です。
