砂防・地すべり・急傾斜地の用語(図解)|工事苑 38語 | 残土バンク
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砂防・地すべり・急傾斜地の用語(図解)38語

土石流・地すべり・がけ崩れから人を守る工事の言葉。法律と区域、砂防堰堤、流路と山腹の工事、地すべり対策、区域内の行為の制限(盛土・土石の集積など)と特別警戒区域の対策まで。

この分野の目次(38語を一覧で)

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法律と区域8語

  • 砂防指定地掘る・盛る・伐るは許可

    さぼうしていち

    砂防指定地

    砂防設備が必要な土地や、土砂の流出を防ぐために一定の行為を禁止・制限する土地として、国土交通大臣が指定する土地(砂防法第2条)。

    勘違いしやすい:山の中だけでなく、住宅地に近い谷の出口も指定されていることがある。工事前に指定の有無を確かめる。

  • 地すべり防止区域地下水を増やす行為は許可制

    じすべりぼうしくいき

    地すべり防止区域

    地すべりしている区域や、そのおそれがきわめて大きい区域と、それを助長・誘発するおそれのある隣の地域のうち、主務大臣が指定する区域(地すべり等防止法第3条)。

    勘違いしやすい:小さな切土や排水の付け替えでも、地すべりを動かすことがある。許可の要否を必ず確かめる。

  • 30°以上急傾斜地崩壊危険区域

    きゅうけいしゃちほうかいきけんくいき

    急傾斜地崩壊危険区域

    傾斜度30度以上の急傾斜地のうち、崩壊で相当数の住民に危害が生じるおそれがある土地と、その崩壊を助長しないよう行為を制限する必要がある土地を、都道府県知事が指定する区域(急傾斜地法第3条)。

    勘違いしやすい:区域内での水の放流、切土、立木の伐採などは許可制。

  • がけ崩れ土石流地すべり土砂災害の3つの現象(ほかに河道閉塞による湛水)

    どしゃさいがい

    土砂災害

    急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)・土石流・地すべり、または河道閉塞による湛水が原因で、人の生命や身体に生じる被害(土砂災害防止法第2条)。

    勘違いしやすい:「がけ崩れ」は法律では「急傾斜地の崩壊」(傾斜度30度以上の土地の崩壊)と言う。

  • イエローレッド(特別警戒)

    どしゃさいがいけいかいくいき

    土砂災害警戒区域(イエローゾーン)

    土砂災害が起きると住民の生命・身体に危害が生じるおそれがあり、警戒避難体制を特に整えるべき区域として、都道府県知事が指定する区域(土砂災害防止法第7条)。

    勘違いしやすい:工事現場が区域内なら、大雨時の退避基準と連絡方法を決めておく。

  • レッドゾーン開発の制限・建物の構造規制

    どしゃさいがいとくべつけいかいくいき

    土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)

    警戒区域のうち、建物が壊れて住民に著しい危害が生じるおそれがある区域として、都道府県知事が指定する区域(土砂災害防止法第9条)。

    勘違いしやすい:残土の置き場や仮設事務所の場所を決めるときも、区域図を確かめる。

  • 土砂災害警戒情報作業を止めて退避前ぶれ:小石が落ちる・湧水が濁る

    どしゃさいがいけいかいじょうほう

    土砂災害警戒情報

    区域ごとの雨量が、土砂災害の急迫した危険が予想される雨量(危険降雨量)に達したとき、都道府県知事が市町村長に通知し、一般にも知らせる情報。市町村の避難指示の判断に使われます(土砂災害防止法第27条)。

    勘違いしやすい:発表を待たずに、雨量や斜面の変化(小石が落ちる、湧水が濁る)で早めに判断する。

  • 30°以上崩れる現象=がけ崩れ

    きゅうけいしゃち

    急傾斜地(30度以上)

    急傾斜地法でいう、傾斜度が30度以上の土地(急傾斜地法第2条)。崩れる現象を「急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)」と言います。

    勘違いしやすい:地すべりより突然・速く崩れる。大雨の最中と直後は近づかない。

土石流と砂防堰堤8語

  • 速く大きな石も運ぶ

    どせきりゅう

    土石流

    山腹が崩れてできた土石や、谷にたまった土石が、水と一体になって一気に流れ下る現象(土砂災害防止法第2条)。

    勘違いしやすい:速く、大きな石も運ぶ。谷の出口(扇状地)は特に危険。

  • 砂防堰堤(下流から見た図)

    さぼうえんてい

    砂防堰堤

    谷を横切ってつくる堰堤(ダム)で、土石流などで流れてくる土砂をためたり、勢いを弱めたりします。コンクリート製と鋼製があります。

    勘違いしやすい:堰堤の下流の川底が掘れると、堰堤が傾いたり壊れたりする。前庭部の保護が要る。

  • 水通し袖袖

    みずとおし・そで

    水通し・袖

    砂防堰堤の中央の、一段低くして水や土砂を流す部分が水通し。その両側の高い部分が袖です。

    勘違いしやすい:袖を越えて水があふれると、堰堤の両端の地山が削られる。

  • 本堰堤水叩き副堰堤

    ふくえんてい

    副堰堤・垂直壁(前庭保護工)

    砂防堰堤から落ちる水の勢いで下流の川底が掘れないように、すぐ下流に設ける小さな堰堤(副堰堤)や壁(垂直壁)。水叩きと組み合わせて前庭部を守ります。

    勘違いしやすい:本体より先に壊れると、本体の足元が掘られる。点検の重点箇所。

  • 水は通し、石・流木は止める

    とうかがたえんてい

    透過型堰堤(鋼製堰堤)

    鋼管などを格子状に組んだ、すき間のある砂防堰堤。ふだんは水や小さな土砂を流し、土石流の大きな石や流木を捕らえます。

    勘違いしやすい:中詰め材を入れるときに、詰石や重機を鋼製枠に直接ぶつけない。

  • 流木止め

    りゅうぼくたいさく

    流木対策

    大雨で流れ出た木が、下流の橋や水路をふさいで被害を大きくしないように、堰堤などで流木を捕らえること。

    勘違いしやすい:流木で橋がふさがると、水があふれて周りが浸水する。

  • 堰堤コンクリート敷モルタル 岩盤2cm・打継1.5cm程度岩盤(浮石を除き清掃)

    きばんがんばんのせいそう

    基礎岩盤の清掃・敷モルタル

    堰堤のコンクリートを岩盤によく付けるため、岩盤を清掃して湿らせ、モルタルを薄く敷いてからコンクリートを打つこと。

    勘違いしやすい:溜まり水や砂を残したまま打つと、岩盤との間から水が漏れる。

  • 長手を流れの向きに

    うえいしばり

    植石張り

    堰堤の側壁や水通しの表面に、大きな石を埋め込むように張る仕上げ。流れてくる石による摩耗から守ります。

    勘違いしやすい:堤体と分離すると、石ごとはがれ落ちる。

流路・山腹5語

  • 護岸床固め

    りゅうろこう

    流路工

    土砂が多く流れる渓流の下流部で、護岸と床固めで川の通り道を固定し、土砂を安全に流す工事。

    勘違いしやすい:床固めの下流が掘れると、護岸の足元から崩れる。

  • 階段状に川底を固める

    とこがためこう

    床固め工(砂防)

    渓流の川底を横断して低い堰堤をつくり、川底が掘れて下がったり、川岸が崩れたりするのを防ぐ工事。

    勘違いしやすい:連続して設けるときは、上下の床固めの関係(高さと間隔)が設計どおりか確かめる。

  • 魚が上れる段々

    ぎょどう

    魚道

    堰や床固めなどの段差で、魚が上流と下流を行き来できるように設ける水路。

    勘違いしやすい:土砂で埋まると機能しない。出水後の点検でたまった土砂を確かめる。

  • 土留め+植生

    さんぷくこう

    山腹工

    崩れた山の斜面(山腹)を、土留め・水路・植生などで安定させ、緑を回復させて、土砂が出ないようにする工事。

    勘違いしやすい:崩壊地は不安定で、作業中にさらに崩れることがある。上部の監視員を置く。

  • 水路(明渠)暗渠(透水管)

    さんぷくすいろこう

    山腹水路工・明暗渠

    山腹の表面を流れる水を集めて流す水路(明渠)と、地下水を抜くための暗渠を組み合わせ、斜面に水がしみ込まないようにする工事。

    勘違いしやすい:水路の肩や切取法面が流されないよう保護する。

地すべり対策9語

  • すべり面ゆっくり動く

    じすべり

    地すべり

    土地の一部が地下水などが原因ですべる現象、またはそれに伴って移動する現象(地すべり等防止法第2条)。ゆっくり長い時間をかけて動くことが多い。

    勘違いしやすい:道路のひび割れ、電柱の傾き、井戸水の変化が前ぶれになる。

  • すべり面動かない地盤動く土塊

    すべりめん

    すべり面

    地すべりで動く土塊と、動かない地盤との境の面。この面に沿って土塊がすべります。

    勘違いしやすい:すべり面の位置を読み違えると、杭が効かない。

  • 水を抜く・排土押え盛土

    よくせいこう

    抑制工(地すべり)

    地すべりを起こす原因を取り除いて、動こうとする力を弱める工事。地表水や地下水を排除する工事、頭部の土を取り除く排土、末端に土を盛る押え盛土などがあります。

    勘違いしやすい:末端を切土すると、地すべりを支えていた部分がなくなって動き出す。

  • 杭・アンカー

    よくしこう

    抑止工(地すべり)

    杭やアンカーなどの構造物の力で、地すべりの動きを直接止める工事。

    勘違いしやすい:杭の削孔で地山をかき乱すと、地すべりを誘発することがある。施工順序も計画書に書く。

  • 固定地盤まで入れる

    よくしぐい

    抑止杭

    地すべりの土塊を貫いて、すべり面より下の動かない地盤まで鋼管などの杭を入れ、杭の強さで土塊の動きを止める工事。

    勘違いしやすい:人工泥水を使うときは、沈殿槽などからあふれたり、地盤にしみ込んだりしないようにする(地すべりを動かす)。

  • 引き止める

    よくしあんかー

    抑止アンカー

    地すべりの土塊を、すべり面より下の安定した地盤にアンカーで引き止めて、動きを止める工事。

    勘違いしやすい:削孔水が地盤にしみ込むと、地すべりを動かすことがある。

  • 保孔管(塩ビ)孔ごとに標示板

    しゅうすいぼーりんぐ

    集水ボーリング(横ボーリング)

    斜面や集水井の中から、地中に向けてほぼ水平に孔をあけ、穴のあいた管(保孔管)を入れて地下水を抜く工事。

    勘違いしやすい:孔口の法面を整形しておかないと、完成後に土砂が崩れて孔をふさぐ。

  • 集水井(直径数m)入るときは換気・測定

    しゅうすいせい

    集水井

    地すべり地に直径数mの井戸を掘り、井戸の中から放射状に集水ボーリングをして、集めた地下水を排水する施設。

    勘違いしやすい:井戸の中は酸素欠乏や転落の危険がある。入る前に換気と測定。

  • 遮る壁水の行き先も考える

    ちかすいしゃだんこう

    地下水遮断工

    地すべり地に流れ込む地下水を、上流側で壁や固結した地盤によって遮って、地すべりの中に入れないようにする工事。

    勘違いしやすい:遮った水の行き先を考えないと、別の場所で湧き出して新たな崩れを起こす。

区域内の行為の制限4語

  • 知事の許可

    じすべりぼうしくいきないのこういのせいげん

    地すべり防止区域内の行為の制限

    地すべり防止区域内で、地下水を増やすなど地下水の排除を妨げる行為、地表水を放流・停滞させる行為、政令で定めるのり切・切土、ため池や用排水路などの新築・改良などをするときに受ける都道府県知事の許可(地すべり等防止法第18条)。

    勘違いしやすい:地すべりの防止を著しく阻害し、または著しく助長する行為は許可されない。違反すると、中止や原状回復を命じられる(同第21条)。

  • 捨石の山

    ぼたやま

    ぼた山

    石炭か亜炭の捨石が集積してできた山で、地すべり等防止法の施行の際に存在していたもの(地すべり等防止法第2条第2項)。

    勘違いしやすい:法律の施行の際に、鉱業権者などが必要な措置を講ずべきだったものは除かれる。

  • 水の放流切土・盛土伐採土石の集積

    きゅうけいしゃちほうかいきけんくいきないのせいげんこうい

    急傾斜地崩壊危険区域内の制限行為

    急傾斜地崩壊危険区域内で都道府県知事の許可が要る行為。水の放流や停滞、ため池・用水路などの設置・改造、のり切・切土・掘さく・盛土、立木竹の伐採、木竹の滑下・地引、土石の採取・集積などです(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条)。

    勘違いしやすい:盛土や土石の集積も制限行為。残土を区域内に置くときは許可が要る。

  • 届出14日以内工事の命令

    してじのとどけで

    指定時の届出・改善命令(急傾斜地)

    区域の指定の際にすでに制限行為に着手していた者は、指定の日から14日以内に知事に届け出ます。制限行為の後に必要な防止工事がされず崩壊のおそれが著しいときは、土地の所有者などに急傾斜地崩壊防止工事を命じられます(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条・第10条)。

    勘違いしやすい:区域内の土地の所有者は、崩壊が生じないよう維持管理に努める義務がある(同第9条)。

土砂災害特別警戒区域の対策4語

  • おおむね5年ごと

    きそちょうさ

    基礎調査(土砂災害防止法)

    都道府県がおおむね5年ごとに行う、急傾斜地の崩壊などのおそれがある土地の地形・地質・降水などの状況と土地利用の状況の調査。警戒区域と特別警戒区域の指定などの基礎になります(土砂災害防止法第4条)。

    勘違いしやすい:区域に指定される前でも、基礎調査の結果は公表されている。

  • 特別警戒区域対策工事の計画が要る

    とくていかいはつこうい

    特定開発行為(土砂災害特別警戒区域)

    特別警戒区域内で、建築が予定される建物の用途が制限用途(自分が住む以外の住宅と、学校・医療施設・社会福祉施設などの要配慮者の施設)である開発行為。あらかじめ都道府県知事の許可が要ります(土砂災害防止法第10条)。

    勘違いしやすい:自己の居住用の住宅は制限用途に入らない。

  • 構造の基準

    とくべつけいかいくいきのけんちくぶつのこうぞうきせい

    特別警戒区域の建築物の構造規制・移転の勧告

    特別警戒区域内の居室をもつ建築物は、土砂災害の原因となる現象の衝撃に対して安全な構造とするよう建築基準法の政令で基準が定められ、建築確認の対象になります。著しい危害のおそれが大きい建物には、都道府県知事が移転などを勧告できます(土砂災害防止法第24条〜第26条)。

    勘違いしやすい:都市計画区域外でも、特別警戒区域内の居室をもつ建築物は建築確認の対象になる(同第25条)。

  • 避難確保計画訓練市町村長へ報告

    ようはいりょしゃりようしせつのひなんかくほけいかく

    要配慮者利用施設の避難確保計画

    市町村の地域防災計画に名称と所在地が定められた要配慮者利用施設の所有者・管理者が作る、急傾斜地の崩壊などのおそれがあるときの利用者の避難の確保のための計画(土砂災害防止法第8条の2)。

    勘違いしやすい:計画を作らないと、市町村長から指示を受け、従わなければ公表されることがある。

定義は公的機関の公開資料をもとに残土バンク編集部が書いています(各語に出典と確認日)。発注者の仕様書・基準が優先します。誤りに気づいた方は info@zandobank.com へ。