法面・擁壁の用語集(図解)|45語 | 残土バンク
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法面・擁壁の用語集(図解)45語

切った・盛った斜面を守る工事と、土を支える壁。植生・吹付・法枠、擁壁の形と安定、ブロック積、水抜きまで。

印刷・社内配布は自由です。出典に「残土バンク https://www.zandobank.com/words/c/norimen-yoheki」とお書きください。

法面を守る16語

  • 植生工吹付工・法枠工表面を雨・風から守る

    のりめんほごこう

    法面保護工

    切土や盛土でできた法面を、雨や風による侵食や崩れから守る工事の総称。植物で覆う植生工と、コンクリートなどの構造物で覆う吹付工・法枠工などがあります。

    勘違いしやすい:法面保護工は表面を守るもので、法面全体のすべりを止める力はない。深いすべりにはアンカーや擁壁など別の対策が要る。

  • 転石を除く設計の勾配に仕上げる

    のりめんせいけい

    法面整形

    掘削や盛土のあと、法面を設計の勾配どおりに仕上げる作業。切土ではゆるんだ転石や岩塊を取り除き、盛土では崩れないように締め固めます。

    勘違いしやすい:大きな浮石が取り除けないときは、自分の判断で残さず監督職員と協議する(共通仕様書)。

  • 葉が雨を受け根が土を押さえる

    しょくせいこう

    植生工

    法面に草や芝などの植物を育てて、根と葉で表面の土を守る工法。種子散布・客土吹付・植生基材吹付・張芝・筋芝・植生シートなどがあります。

    勘違いしやすい:乾燥期の施工は避ける。やむを得ず施工するときは、施工後も散水養生を続ける。

  • ハイドロシーダー厚さ 1cm未満

    しゅしさんぷこう

    種子散布工

    種子・肥料・ファイバーなどを水に混ぜた薄い液を、トラックに積んだ吹付機械(ハイドロシーダー)で法面に散布する工法。厚さは1cm未満です。

    勘違いしやすい:硬い土や岩には根付かない。土の硬さを測ってから工法を選ぶ。

  • 厚さ 1〜3cm客土+種子・肥料ポンプで吹付け

    きゃくどふきつけこう

    客土吹付工

    植物の育ちやすい土(客土)に種子や肥料を混ぜた、粘りのある材料を、ポンプで法面に厚さ1〜3cm吹き付ける工法。

    勘違いしやすい:吹付け面が乾いているときは、先に散水してから吹き付ける。

  • 厚さ 3〜10cm金網+植生基材岩

    しょくせいきざいふきつけこう

    植生基材吹付工

    土・木の繊維・バーク堆肥などを混ぜた植生基材を、ポンプやモルタルガンで法面に厚さ3〜10cm吹き付ける工法。

    勘違いしやすい:厚さが場所によってばらつかないように吹き付ける。浮石やごみは事前に取り除く。

  • 縦目地を通さない・芝串 20〜30本/㎡

    はりしば・しばぐし

    張芝・芝串

    切った芝を法面一面にすき間なく張る工法。脱落しないように、芝串(竹などの串)で1㎡あたり20〜30本留めます。

    勘違いしやすい:運んできた芝は早く張る。日なたに積み重ねておくと枯れる。

  • 30cm芝を水平に土をのせて締固め

    すじしば

    筋芝

    盛土の法面に、芝を水平の筋状に入れながら土を盛っていく工法。芝の筋の間隔は30cmが標準です。

    勘違いしやすい:芝片は法面の水平方向に入れる。斜めや縦に入れると雨水の通り道になる。

  • 耳芝法肩の崩れを防ぐ幅 10〜15cm

    みみしば

    耳芝

    堤防などの法肩が崩れないように、法肩に沿って天端側に幅10〜15cmほどの芝を立てて入れたもの。

    勘違いしやすい:法肩は雨水が集まりやすく、最初に崩れやすい場所。耳芝を省かない。

  • 土羽板でたたく表面を形どおりに

    どは

    土羽(土羽打ち)

    盛土の法面の表面に使う土(土羽土)と、それを板(土羽板)でたたいて締め固め、法面の形に仕上げること。

    勘違いしやすい:表面だけたたいても中が緩いと崩れる。盛土本体の締固めとセットで考える。

  • 種子つきシートすぐに表面を覆う

    しょくせいしーと

    植生シート・植生マット

    種子や肥料をつけたシートやマットを法面に広げて固定する工法。すぐに表面を覆えるので、発芽するまでの侵食も防げます。

    勘違いしやすい:シートの重さで破れないように、ネットを取り付ける(共通仕様書)。

  • 法面に直角に上から下へ金網の重ね10cm以上

    ふきつけこう

    吹付工(モルタル・コンクリート吹付)

    法面に金網を張り、モルタルやコンクリートを吹き付けて表面を覆う工法。風化しやすい岩や、湧水の少ない法面に使います。

    勘違いしやすい:はね返った材料の上に吹き付けない。はね返り材はすぐ取り除く。2層に分けるときは層の間がはがれないようにする。

  • 交点にアンカーを入れることもある

    のりわくこう

    法枠工

    法面にコンクリートの格子状の枠をつくり、枠の中を植生や石、コンクリート板で埋める工法。現場打ち、プレキャスト(工場製品)、吹付法枠があります。

    勘違いしやすい:掘削面は切りすぎない。切りすぎた所は粘性土でよく締め固めて整形する(共通仕様書)。

  • 定着部引っ張って押さえるすべり面

    ぐらうんどあんかー

    グラウンドアンカー

    法面に孔をあけて鋼材(テンドン)を入れ、奥の硬い地盤にグラウトで定着させ、引っ張る力(緊張力)で法面を押さえる工法。

    勘違いしやすい:グラウトは孔の一番下から注入し、孔口から出てくるまで作業を止めない(共通仕様書)。

  • 金網で覆うアンカーピン

    らくせきぼうしもう

    落石防止網

    落石が起きそうな斜面を金網で覆い、アンカーピンで斜面に留めて、石が落ちたり跳ねたりしないようにする設備。

    勘違いしやすい:岩盤でアンカーピンが打てないときは、監督職員と協議する(共通仕様書)。

  • 支柱・ワイヤ・金網道路

    らくせきぼうごさく

    落石防護柵

    斜面の下や途中に立てて、落ちてきた石を受け止める柵。支柱・ワイヤロープ・金網でできています。

    勘違いしやすい:支柱基礎は、周りの地盤を緩めず滑らないように定着させる(共通仕様書)。

擁壁12語

  • 背後の土擁壁土と水に押されている

    ようへき

    擁壁

    高低差のある土地で、土が崩れないように支える壁。盛土規制法の技術的基準では、鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・間知石練積み造などの練積み造とされています。

    勘違いしやすい:擁壁は背中から土と水に押されている。水抜きが詰まると水圧が加わり、倒れたり膨らんだりする原因になる。

  • 重力式壁の重さで支える

    じゅうりょくしきようへき

    重力式擁壁

    壁そのものの重さで土圧に耐える擁壁。無筋コンクリートでつくる、断面が台形の分厚い壁です。

    勘違いしやすい:高くなるほど壁が厚く重くなり、基礎の地盤に大きな力がかかる。地盤の支持力の確認が要る。

  • もたれ式地山にもたれかかる地山(切土)

    もたれしきようへき

    もたれ式擁壁

    背中の地山(切土面)にもたれかかるように傾けてつくる擁壁。壁の重さと地山の支えで安定させます。

    勘違いしやすい:背後が盛土や軟らかい地盤では、もたれる相手が動くので向かない。

  • L型逆T型底版の上の土も重しになる

    えるがたようへき

    L型擁壁・逆T型擁壁(片持ばり式)

    鉄筋コンクリートの縦の壁と底版(フーチング)でできた擁壁。底版の上にのった土の重さも使って安定させます。底版が背中側だけに出るのがL型、前後に出るのが逆T型です。

    勘違いしやすい:底版の上の土も擁壁の一部として働く。底版の上を掘ったり、土を減らしたりしない。

  • 工場製品基礎と密着させる

    ぷれきゃすとようへき

    プレキャスト擁壁

    工場であらかじめつくったコンクリート製の擁壁を、現場で据え付けるもの。L型・逆T型などがあります。

    勘違いしやすい:仮置きするときは、転倒やほかの部材との接触で傷つかないように守る。

  • 壁面材補強材一層ごとに敷いて締固め

    ほきょうどへき

    補強土壁

    盛土の中に、シート状や帯状の補強材を層ごとに敷き込み、土と補強材の摩擦で盛土を垂直に近い壁にする工法。表面には壁面材を並べます。

    勘違いしやすい:補強材は日光の紫外線で弱くなるものがある。保管中は直射日光を避ける。

  • 中詰め石(土を混ぜない)吸出し防止材

    いげたぶろっく

    井桁ブロック

    コンクリートの部材を井の字形に組み上げ、中に石を詰めて土を支える擁壁。水が抜けやすいのが特徴です。

    勘違いしやすい:中詰め石を落とし込むと部材が欠ける。衝撃を与えないように入れる。

  • 深いほど大きい土圧+水圧+自重

    どあつ

    土圧

    擁壁などの壁が、背後の土から受ける押す力。深いところほど大きくなります。

    勘違いしやすい:雨で背後の土が水を含むと、水圧が加わって押す力が大きくなる。水抜きが大事な理由。

  • 倒れる転倒モーメント ≦ 安定の 2/3

    てんとう

    転倒(擁壁の安定)

    土圧で擁壁が前に倒れること。擁壁を倒そうとする力(転倒モーメント)が、倒れまいとする力(安定モーメント)の3分の2以下であることを確かめます。

    勘違いしやすい:3分の2以下は、言いかえると「安定側が1.5倍以上」。背後に重機や土を置くと、押す力が増える。

  • 滑る摩擦滑る力 ≦ 抵抗の 2/3

    かつどう

    滑動(擁壁の安定)

    土圧で擁壁が基礎ごと前に滑ること。滑らせる力が、基礎と地盤の間の摩擦などの抵抗力の3分の2以下であることを確かめます。

    勘違いしやすい:基礎の下の地盤が水で緩むと、摩擦が小さくなって滑りやすくなる。

  • 重さ地盤が耐えられるか

    しじりょく

    支持力(地盤の許容応力度)

    地盤が、上にのる構造物の重さに耐えられる力。擁壁では、地盤に生じる力が地盤の許容応力度を超えないことを確かめます。

    勘違いしやすい:設計で想定した地盤と、掘ってみた地盤が違うことはよくある。床付けで違いに気づいたら、すぐ監督職員に連絡する。

  • 30°これより急なら「崖」30° ≒ 1:1.7(1:1.5は約34°)

    がけ

    崖(盛土規制法の崖)

    盛土規制法では、地面が水平に対して30度を超える角度をなす土地で、硬い岩盤(風化の著しいものを除く)以外のものを崖と言います。

    勘違いしやすい:30度は勾配でいうと約1:1.7。「1割5分の法面なら崖ではない」とはならない(1:1.5は約34度)。

ブロック・石積・かご10語

  • 積:1:1より急張:1:1以下勾配で呼び名が変わる

    ぶろっくづみ・ぶろっくばり

    ブロック積・ブロック張

    コンクリートブロックを法面に積み上げる工事。勾配が1:1より急なものをブロック積、1:1かそれより緩いものをブロック張と言います(共通仕様書)。

    勘違いしやすい:「積」と「張」は勾配で決まる。積は土を支える壁、張は法面の表面を覆う役目が中心。

  • 正面(四角)横から(奥が細い)間知石・間知ブロック

    けんちいし

    間知石・間知ブロック

    石積みに使う、表面が四角く、奥に向かって細くなる形の石。同じ形のコンクリート製品が間知ブロックです。

    勘違いしやすい:古い空積みの石積みは、今の基準を満たさないことが多い。改修や造成では現行の基準で確かめる。

  • 練積(コンクリート)空積(砕石)練積は一体、空積は水が抜けやすい

    ねりづみ・からづみ

    練積・空積

    練積は、ブロックや石のすき間(胴込め)と背面(裏込め)にコンクリートを詰めて一体にする積み方。空積は、コンクリートを使わず砕石などを詰める積み方です。

    勘違いしやすい:練積でも水抜き孔は必要。コンクリートで背面をふさぐぶん、水の逃げ道をつくる。

  • ブロック胴込め裏込め

    どうごめ・うらごめ

    胴込め・裏込め

    胴込めは、積んだブロックや石どうしのすき間に詰める材料。裏込めは、ブロックの背面と地山の間に詰める材料(砕石や裏込めコンクリート)です。

    勘違いしやすい:裏込め砕石に土が混ざると水が抜けなくなる。きれいな材料を使う。

  • 尻がい胴がい動かないように固定

    どうがい・しりがい

    胴がい・尻がい

    ブロックや石を積むときに、位置と傾きを決めて動かないようにするため、すき間にかませる小さな石やくさび。胴の部分にかうのが胴がい、後ろ(尻)にかうのが尻がいです。

    勘違いしやすい:かい石が外れると、胴込めを詰めるときにブロックが動いて目地がずれる。

  • 接するところ=合端

    あいば

    合端

    積んだブロックや石どうしが接する部分。表から見える継ぎ目のところです。

    勘違いしやすい:合端にモルタル目地を塗るときは、あらかじめ監督職員の承諾を得る(共通仕様書)。

  • 根石(大きな石)上の重さをすべて受ける

    ねいし

    根石

    石積みの一番下に据える石。上の石すべての重さを受けるので、大きな石を使います。

    勘違いしやすい:根石が洗われたり沈んだりすると、石積み全体が崩れる。河川では特に根元の洗掘に注意。

  • 植えて緑で覆う

    りょっかぶろっく

    緑化ブロック

    植物を植えるためのくぼみや穴のあるコンクリートブロック。積んだあとに植栽して、壁面を緑で覆います。

    勘違いしやすい:引渡しまでに植えた植物が枯れたら、受注者の負担で植え直す(共通仕様書)。

  • 鉄線のかご+石石は15〜25cm・網目より大きく

    じゃかご

    じゃかご(蛇籠)

    鉄線で編んだ円筒形のかごに、石を詰めたもの。水を通しながら、重さで法面や川岸を守ります。

    勘違いしやすい:石を詰めるときは空隙を少なく。法肩や法尻の折れ曲がり部分がつぶれて平らにならないようにする。

  • 厚さ30cm→石5〜15cm、50cm→15〜20cm

    ふとんかご

    ふとんかご(布団籠)

    鉄線のかごを、ふとんのように平たい直方体にして石を詰めたもの。積み重ねて土留めにしたり、敷き並べて法面や水路の底を守ったりします。

    勘違いしやすい:網目より小さな石は抜け出す。石の大きさは、かごの厚さと網目に合わせる。

水と安定7語

  • 透水層3㎡に1個以上内径7.5cm以上

    みずぬきこう

    水抜き孔(水抜穴)

    擁壁やブロック積の背面にたまった水を前面に抜くための孔。盛土規制法施行令では、壁面3㎡以内ごとに1個以上、内径7.5cm以上の耐水性の管を使うとされています。

    勘違いしやすい:水抜き孔から水が出ていない擁壁は、詰まっているか、裏で水がたまっている可能性がある。点検で見るポイント。

  • 砂利の層しみ込んだ水

    とうすいそう

    透水層(裏込め材)

    擁壁の背面や盛土の中に砂利などで設ける、水を通しやすい層。しみ込んだ水を集めて、水抜き孔や排水管に流します。

    勘違いしやすい:透水層に細かい土が入り込むと目詰まりする。必要に応じて吸出し防止材やフィルター材で包む。

  • 水は通す土は通さない吸出し防止材

    すいだしぼうしざい

    吸出し防止材

    水は通すが土の粒は通さない、不織布などのシート。ブロックや石のすき間から背面の土が水と一緒に吸い出されるのを防ぎます。

    勘違いしやすい:吸出しが進むと背面に空洞ができ、ある日突然、陥没や崩れが起きる。

  • 伸縮目地伸び縮みを目地で逃がす

    しんしゅくめじ

    伸縮目地

    コンクリートの壁や吹付面が、温度の変化や乾燥で伸び縮みしてもひび割れないように、一定の間隔でわざと設ける切れ目。目地材を入れます。

    勘違いしやすい:目地の位置で構造が分かれる。目地をまたいで段差やずれが出ていないかを点検で見る。

  • 小段排水縦排水下流側から設置する

    こだんはいすい・たてはいすい

    小段排水・縦排水

    法面の小段に沿って雨水を集める水路が小段排水、それを法面の上から下へ流す水路が縦排水です。

    勘違いしやすい:縦排水の継ぎ目から水が漏れると、そこから法面がえぐれる。継ぎ目の水密性に注意。

  • 法肩排水法尻排水

    のりかたはいすい・のりじりはいすい

    法肩排水・法尻排水

    法面の上(法肩)で、上から流れてくる雨水を受け止めて法面に流さない水路と、法面の下(法尻)で、流れ落ちた水を集めて流す水路。

    勘違いしやすい:法肩排水が詰まって水があふれると、法面全体に水が流れて崩れる原因になる。

  • 地下水を集める有孔管+フィルター材

    ちかはいすいこう

    地下排水工

    地面の下に穴のあいた管(有孔管)とフィルター材を埋めて、地下水を集めて流す工事。

    勘違いしやすい:埋め戻しで有孔管の孔やフィルター材が詰まらないように、設計の材料を使って埋め戻す。

定義は公的機関の公開資料をもとに残土バンク編集部が書いています(各語に出典と確認日)。発注者の仕様書・基準が優先します。誤りに気づいた方は info@zandobank.com へ。