
埼玉県で工事の残土(建設発生土)を出したい、または土を受け入れたいときに知っておくことを、県の公表資料と残土バンクの掲載データでまとめます。埼玉県では2025年7月から、盛土規制法による規制と、新しい土砂の条例が同時に始まりました。ルールが変わったばかりなので、まず「今どうなっているか」から確認してください。
埼玉県で残土を持ち込める受入地

残土バンクには、国土交通省のストックヤード運営事業者登録簿などをもとに、埼玉県内の受入地(ストックヤード・処理地)を105か所掲載しています(2026年10月時点)。多い市は次のとおりです。
市区町村 | 掲載数 |
|---|---|
三郷市 | 16 |
朝霞市 | 11 |
加須市 | 7 |
和光市 | 7 |
さいたま市岩槻区 | 7 |
春日部市 | 6 |
受入地は県の南部・東部(東京寄り)に集まっています。県北部は少なく、熊谷市・本庄市には掲載がなく、深谷市・羽生市は1か所ずつです。県北部で土を出す・受けるときは、遠くの受入地に運ぶより、近くで土を欲しがっている現場と直接やり取りする方が運搬費を抑えられます。
受入地ごとの受入条件・最大堆積量は埼玉県の残土情報と受入地の地図で確認できます。掲載は登録簿の公開情報によるもので、残土バンクとの提携先ではありません。持ち込む前に、受入条件(土質・受入時間・受入料)を必ず受入地に確認してください。
県北部(熊谷・深谷・本庄・行田・羽生・加須など)で探すとき
県北部は受入地が少ないぶん、土を出す現場と受ける土地が同じ地域の中で直接つながることが大事です。たとえば、造成や農地のかさ上げで土を欲しがっている土地と、近くの基礎工事・外構工事の残土が合えば、受入料はかからず運搬も短距離で済みます。群馬県(前橋・伊勢崎・太田)側の受入地も、距離によっては候補になります。残土バンクでは、投稿すると隣接する県の相手にも通知が届きます。
盛土規制法:2025年7月1日から県内全域が規制区域
埼玉県は2025年7月1日に、県内全域を盛土規制法の規制区域(宅地造成等工事規制区域か特定盛土等規制区域のどちらか)に指定しました。さいたま市・川越市・川口市・越谷市は、それぞれの市が2025年5月26日に指定し、市が所管しています。
埼玉県では県の条例により、2種類の区域で許可が必要な規模が同じです。次のどれかに当たる盛土・切土・土の仮置きには、知事の許可が必要です。
- 盛土で高さ1m超の崖ができる
- 切土で高さ2m超の崖ができる
- 盛土と切土を同時にして、高さ2m超の崖ができる
- 盛土で高さ2m超になる
- 盛土・切土の前後で地面の高さが30cm超変わる部分の面積が500㎡超
- 土の仮置き(土石の堆積)で、最大時の高さ2m超かつ面積300㎡超
- 土の仮置きで、地面からの高さが30cm超の部分の面積が500㎡超
国の基準では、特定盛土等規制区域は「届出」で済む規模がありますが、埼玉県(県所管の区域)では同じ規模でも許可です。他県の感覚で判断しないでください。問い合わせ先は、県都市整備部 都市計画課 盛土規制担当(048-830-5336)。さいたま市・川越市・川口市・越谷市は各市の担当課です。
土砂の条例:3,000㎡以上の堆積は許可(2025年7月から新条例)
盛土規制法とは別に、埼玉県には土砂の堆積を規制する条例があります。2025年7月1日から「埼玉県土砂の堆積による土壌の汚染の防止に関する条例」が施行され、それまでの「埼玉県土砂の排出、たい積等の規制に関する条例」に代わりました。
- 土砂を堆積する区域の面積が3,000㎡以上なら、堆積の許可が必要です。同じ規模では、汚染調査結果の届出も求められます。
- さいたま市・川越市・川口市・越谷市・桶川市・毛呂山町・嵐山町・鳩山町は県の条例ではなく、それぞれの市町の条例が適用されます。
- 3,000㎡未満でも、市町村の条例で規制していることがあります。市町村にも確認してください。
問い合わせ先は、県環境部 産業廃棄物指導課(048-830-3121)。
盛土規制法(500㎡超などで許可)と土砂の条例(3,000㎡以上で許可)は別の手続きです。どちらか一方だけで足りるとは限りません。
公共工事の残土はどこへ行くか(県の手引き)
埼玉県の公共工事では、「建設副産物の手引き」に基づいて、残土を出す先を次の順で検討します。民間の工事でも、この順番は費用を抑える順番と一致します。
- 他の工事で使う(工事間利用):建設発生土情報交換システムや公共工事の土量調査、他の発注機関への照会、UCR(建設資源広域利用センター)、建設発生土の官民有効利用マッチング。
- 建設発生土受入地:工事はしていないが土を受け入れている場所(都市機構などの面的整備の受入地、UCR)。
- 土質改良プラント:軟らかくて工事間利用できない土(泥土を除く)は、改良して改良土として再利用。
- その他の適正処理:それでも50kmの範囲内で見つからない場合に、有料の受入地や適法な民間受入地へ。受入費は見積もりで決め、高額になるとされています。
埼玉県で、公共工事の土を受け入れる民間の土地を常に公募・登録している仕組みは、県のサイトでは確認できませんでした(2026年10月時点)。工事ごとに募集が出ることはあるので、受け入れたい土地がある場合は、県土整備事務所に問い合わせてください。都道府県ごとの仕組みは公共工事の受入地 公募・登録まとめにあります。
処分費の決まり方

埼玉県の残土の受入料について、県が公表している相場の数字は見つかりませんでした。県の手引きでも、民間受入地の受入費は「見積り等により単価を決定」とされています。そのため、この記事では金額を書きません。
費用は「積込み+運搬(距離と台数)+受入料(受入地と土質)」の足し算で決まります。県北部のように受入地が遠い地域では、運搬費が受入料より大きくなることがあります。見積もりの読み方は残土処分費はどう積算されるか、量の換算は土量換算ツールをご覧ください。
投稿して近くの相手を探す
残土バンクの埼玉県の有効な投稿は、2026年10月時点で残土提供2件・残土受入1件と、まだ少ない状況です。だからこそ、投稿すれば近くの受入地と、同じ埼玉県・隣接する都県で逆の立場の投稿者に自動で通知が届き、目に留まりやすくなっています。
投稿に書いておくと話が早いのは、場所(市町村)・量(地山かほぐしか)・土質(砂質か粘性か、区分)・時期・ダンプの進入条件の5つです。受け入れる側は、盛土規制法と土砂の条例の手続きが済んでいるかも書いてください。投稿・問い合わせ・成立に手数料はかかりません。
工事の流れに沿った残土の出し方・受け方は建設発生土の出し方・受け方 実務ガイド、許可がいる規模の考え方は土を受け入れるのに許可はいる?をご覧ください。
参考資料
- 埼玉県:令和7年7月1日から盛土規制法に基づく規制を開始します(2025年6月27日 報道発表)
- 埼玉県:宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)について
- 埼玉県:埼玉県土砂の堆積による土壌の汚染の防止に関する条例
- 埼玉県:建設発生土の受け入れ先の選定及び積算例について(建設副産物の手引き)
- 国土交通省:ストックヤード運営事業者の登録制度
※本記事の内容は2026年10月14日時点の情報をもとにしています。法令・条例・料金は改正や地域によって異なるため、実際の手続きの際は必ず各行政機関・事業者の最新情報をご確認ください。
この記事について
残土マッチングサービス「残土バンク」を運営する株式会社暁の編集チーム。残土(建設発生土)の処分・受入・法規制について、公的機関の一次情報をもとに記事を作成しています。編集方針
