
「残土あげます」「残土 無料」の投稿を見て、土をもらおうと決めたとき、受け取る前に確かめることが5つあります。土はもらった瞬間から自分の土地のものになり、処分も手続きも自分の責任になります。この記事は、受け取る側が損をしないための確認の順番です。
1. 土質:何の土か、盛土に使えるか
まず「砂質か、粘性土か」。砂・礫や砂質土(建設発生土の第1種・第2種)は盛土や埋め戻しにそのまま使えますが、粘性土(第3種・第4種)は締まりにくく、雨で軟らかくなり、使い道が限られます。目安は手で握ることです。崩れれば砂質、まとまって指の跡が残れば粘性土、握って水がにじめば湿りすぎ。出す側が土質試験(コーン指数)の結果を持っていれば、区分を聞きます。
写真だけで判断しないでください。乾いた表面の写真は、中の湿った粘土を隠します。可能なら現地で山を崩して見ます。
2. 異物:混じっているものは、あなたのごみになる

コンクリート片、アスファルト片、木の根、ビニール、鉄筋。これらが混じった土は「土」ではなく産業廃棄物の扱いになり、受け取った側がその処分を負います。確認は現地で、山を数か所掘って見る。出す側に「がれき・木根なし」を投稿や書面で明記してもらうと、後の話が楽です。
解体工事の跡地から出た土は、基礎のがらが混じりやすい土です。「解体工事の土」と聞いたら、必ず現物を見てください。
3. 量と状態:㎥の意味をそろえる
「100㎥あげます」の100㎥が、掘る前の量(地山)か、ダンプに積んだ量(ほぐし)かで、届く量が2割違います。砂質土なら地山100㎥はほぐして約120㎥、締め固めると約90㎥になります。受け入れられる量を、自分の土地の「締固め後」の量で決め、出す側には「地山で何㎥まで」と伝えます。換算は土量換算ツールで。
また、一度に来るのか、数日に分けて来るのかも確認します。10tダンプ20台が1日で来ると、受け入れ側の重機と人手が足りなくなります。
4. 運搬:道が入るか、誰が運ぶか、いくらか

- 進入路:10tダンプは幅3m以上、転回場所が要ります。入れなければ4tになり、台数と費用が増えます。
- 運搬の主体:出す側が運ぶのか、自分で運ぶのか。出す側が運ぶ場合、ダンプが土地に入ったあとの敷均しは誰がやるか。
- 費用:運搬費を出す側が持つか、折半か。決まりはなく相談です。「ダンプ1台あたり○円」で話すと分かりやすい。
- 受領書:2023年5月以降の契約の工事では、出す側は搬出先から受領書をもらう必要があります。様式を事前に決めておくと、相手が喜びます。
5. 許可:自分の土地で盛土してよいか
ここがいちばん見落とされます。土をもらって盛ることは「盛土」であり、次の手続きの対象になることがあります。
- 盛土規制法(2023年5月施行):都道府県が指定する規制区域内では、一定の規模以上の盛土や土の仮置きに許可・届出が必要です。区域の指定は2024年以降、県ごとに順に進んでいます。自分の土地が区域内かは、県のページで確認できます。
- 自治体の残土条例(土砂埋立て等の規制条例):面積や土量のしきい値を超える埋立てに許可や届出。しきい値は自治体で違います(例:500㎡以上、3,000㎡以上など)。
- 農地法:農地に土を入れてかさ上げするなら、一時転用や農地改良の届出。
- 森林法・河川法:山林や河川の近くなら、別の手続き。
許可を取らずに盛土をすると、土地の所有者が是正命令や罰則の対象になります。「相手が持ってきた土だから」は通りません。
確認のチェックリスト(投稿に書く・相手に聞く)
項目 | 相手に聞くこと | 自分で確認すること |
|---|---|---|
土質 | 砂質か粘性か、区分(第1〜4種)、含水比 | 現地で握って確かめる |
異物 | がれき・木根・ゴミの有無(書面で) | 山を数か所掘る |
量 | 地山かほぐしか、㎥数、搬入の日程 | 自分の土地で受けられる締固め後の量 |
運搬 | 誰が運ぶか、車種、台数、費用の分担 | 進入路の幅・転回場所・敷均しの手段 |
許可 | 受領書の様式 | 盛土規制区域・残土条例・農地法の手続き |
残土バンクで受け入れるとき
残土バンクに「土を探しています」と投稿するときは、上の5つを投稿に書いておくと、出す側が条件の合う土だけを持ちかけてきます。投稿すると近くの残土提供の投稿者に自動で届き、新しい提供投稿が出たときも通知されます。投稿・問い合わせ・成立に手数料はかかりません。土の探し方の全体像は土が欲しいとき、どこで探す?、受け入れる側の手続きは建設発生土の出し方・受け方 実務ガイドをご覧ください。
参考資料
- 国土交通省:建設工事から発生する土の搬出先の明確化等(資源有効利用促進法 省令改正の概要)
- 国土交通省:盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)
- 国土交通省:建設発生土の土質区分基準
- 環境省:産業廃棄物の種類
※本記事の内容は2026年10月14日時点の情報をもとにしています。法令・条例・料金は改正や地域によって異なるため、実際の手続きの際は必ず各行政機関・事業者の最新情報をご確認ください。
この記事について
残土マッチングサービス「残土バンク」を運営する株式会社暁の編集チーム。残土(建設発生土)の処分・受入・法規制について、公的機関の一次情報をもとに記事を作成しています。編集方針
