
「良質土(りょうしつど)」は、現場や見積書でよく出てくる言葉ですが、法律で決まった1つの定義はありません。発注者(国・県・市)が仕様書の中で決めている言葉です。ただし、どの仕様書でも中身はほぼ同じで、ひとことで言うと「手を加えなくても、そのまま盛土や埋め戻しに使える土」のことです。この記事では、良質土の意味、数値の基準の例、建設発生土の区分との関係、もらう・出すときの確かめ方をまとめます。
良質土の意味:改良しないで、そのまま使える土
自治体の仕様書の定義を2つ並べます。
- 浜松市 盛土材料取扱基準:「新材及び建設発生土のうち、含水比低下、粒度調整、安定処理等の土質改良を行わなくてもそのまま盛土や埋戻しができるもの」。
- 新潟市 下水道工事に使用する埋戻土仕様書:「特に土質改良を行わなくてもそのままで埋戻材として使用可能な土砂」。
どちらも「土質改良(乾かす・粒をそろえる・セメントや石灰を混ぜる)をしなくてよい」ことが条件です。逆に、改良した土は良質土ではなく「改良土」と呼びます。浜松市の基準は、改良土に良質土を混ぜたものも良質土ではなく改良土として扱うと決めています。
数値の基準の例
「そのまま使える」を、仕様書は数値で決めています。下水道の埋め戻しを例にすると次のとおりです。
項目 | 新潟市(下水道の埋戻土・良質土) | 浜松市(裏込め材・埋戻し材) |
|---|---|---|
土の種類 | 砂または砂質土、礫質土 | ― |
最大粒径 | 40mm以下 | 40mm以下 |
細かい粒(75μmふるいを通る量) | 25%以下 | 0〜25% |
強さ(設計CBR) | 8%以上 | 20%以上 |
その他 | 十分に締め固められる含水比。木片・金属・布・プラスチック・ゴミ・コンクリート塊・アスファルト塊を含まない | 4.75mmふるい通過25〜100%、塑性指数10以下 |
同じ「埋め戻し」でも、市によって強さ(CBR)の基準が2倍以上違います。良質土かどうかは、その工事の仕様書で決まるので、「良質土です」と言われたら「どの基準で?」と聞くのが確実です。
ざっくりまとめると、良質土は砂っぽく(細かい粒が少ない)、粒が大きすぎず、締め固められる程度に乾いていて、ゴミが入っていない土です。
建設発生土の区分との関係

建設発生土は、かたさ(コーン指数)と土の種類で第1種〜第4種と泥土に区分されます(詳しくは第1種〜第4種 判別ガイド)。国の「発生土利用基準(案)」は、区分ごとに使い道の目安を表にしています。
- 第1種(砂・礫)・第2種(砂質土・礫質土):工作物の埋め戻し、道路の盛土、土地造成などに「そのまま使える」(◎)。粒が大きすぎないことに注意。
- 第3種(ふつうの粘性土):盛土の内部などには使えるが、埋め戻しには粒度調整や含水比を下げる工夫が要る。
- 第4種・泥土:多くの用途で安定処理(改良)が必要。
つまり、仕様書の「良質土」は、だいたい第1種・第2種に当たる土です。区分が分かっていれば、良質土かどうかの見当がつきます。
良質土をもらうとき・出すときに確かめること
もらう側
- 何に使うか:埋め戻し・盛土・かさ上げなど、使い道で必要な基準が違います。公共工事なら、その工事の仕様書の基準。
- 試験の結果:粒度試験・CBR試験・コーン指数試験の結果があるか。無ければ、少なくとも「砂質土で、ゴミなし、乾いている」と言えるか。
- 改良していないか:セメントや石灰で改良した土は良質土ではありません(使える場合もありますが、扱いが別です)。
出す側
- 良質土は欲しい人が多い土です。近くで盛土や埋め戻しをする現場があれば、受入料なしで引き取ってもらえることがあります。
- 掘る段階で、表土(草の根)・粘土層・がれきを混ぜないこと。混ざると良質土ではなくなり、処分費がかかる側に回ります。
- 雨に当てないこと。含水比が上がると締め固められなくなり、良質土の条件から外れます。
よくある質問
Q. 山砂は良質土ですか?
山砂は「新材」(採ってきた材料)で、粒度がそろっていれば多くの仕様書で埋め戻しに使えます。ただ、仕様書では「山砂」と「良質土」を別の種類として並べることが多く(新潟市の例では山砂・良質土・改良土の3種類)、どちらを使うかは設計図書の指定に従います。
Q. 畑の土や黒土は良質土ですか?
いいえ。良質土は「盛土や埋め戻しに使える土」という工事の言葉で、作物がよく育つ土という意味ではありません。黒土(腐植の多い表土)は、締まりにくいので埋め戻しには向きません。
Q. 良質土はどこで手に入りますか?
近くの工事で出る建設発生土(第1種・第2種)をもらうのがいちばん安く、量が少なければ砂利屋・建材店で山砂や真砂土を買います。探し方は土が欲しいとき、どこで探す?をご覧ください。残土バンクに「土を探しています(砂質土まで)」と投稿すると、近くで土を出したい人に自動で届きます。
参考資料
- 国土交通省(近畿地方整備局):発生土利用基準(案)— 土質区分と適用用途標準
- 浜松市:盛土材料取扱基準(良質土・土質改良土の定義、裏込め材・埋戻し材の規格)
- 新潟市:下水道工事に使用する埋戻土仕様書(良質土の品質管理基準)
- 国土交通省:建設発生土の土質区分基準
※本記事の内容は2026年10月14日時点の情報をもとにしています。法令・条例・料金は改正や地域によって異なるため、実際の手続きの際は必ず各行政機関・事業者の最新情報をご確認ください。
この記事について
残土マッチングサービス「残土バンク」を運営する株式会社暁の編集チーム。残土(建設発生土)の処分・受入・法規制について、公的機関の一次情報をもとに記事を作成しています。編集方針
