土工
建設発生土の第1種~第4種 判別ガイド
建設現場で発生する土(建設発生土)は、再利用や適切な処理のために「第1種」から「第4種」まで分類されます。それぞれの判別方法と特徴を、現場経験と最新基準に基づいてわかりやすく解説します。
判別の基本指標
- コーン指数(kN/㎡):土の強度を示す数値。高いほど硬い土。
- 土質分類:砂、礫、粘性土、有機質土などの種類。
- 含水比:土の水分含有量。
各種建設発生土の判別方法
種類 | コーン指数 | 主な土質 | 判別ポイント |
---|---|---|---|
第1種 | 指定なし | 砂・礫 | 粒子が大きく密度が高い。安定性が高い。 |
第2種 | 800以上 | 砂質土・礫質土 | 第1種よりやや柔らかいが十分な強度。砂や礫が多い。 |
第3種 | 400以上 | 粘性土・火山灰質粘性土 | 粘性が高く水分を多く含む。施工性が確保される。 |
第4種 | 200以上 | 粘性土・有機質土 | 第3種よりさらに柔らかい。水分・有機分が多い。 |
第1種建設発生土
- 特徴:主に砂や礫。コーン指数の基準なし。
- 判別方法
- 砂や礫が主体で、粒子がしっかりしている。
- 産業廃棄物や有機物が混入していない。
- 触っても手に粘りがつかず、崩れにくい。
第2種建設発生土
- 特徴:砂質土や礫質土。コーン指数800kN/㎡以上。
- 判別方法
- 砂や礫の割合が多く、やや柔らかいが十分な強度。
- コーンペネトロメーターで800kN/㎡以上を確認。
- 目視・触感で第1種よりやや柔らかいが、形を保つ。
第3種建設発生土
- 特徴:粘性土や火山灰質粘性土。コーン指数400kN/㎡以上。
- 判別方法
- 粘り気があり、水分を多く含む。
- コーン指数を測定し400kN/㎡以上。
- 手で握るとまとまり、指で押すと凹む程度の柔らかさ。
第4種建設発生土
- 特徴:第3種に該当しない粘性土・有機質土。コーン指数200kN/㎡以上。
- 判別方法
- 粘性が強く、さらに柔らかい。水分や有機物が多い。
- コーン指数200kN/㎡以上であることを確認。
- 手で握ると簡単に変形し、粘りが強い。
判別の流れ(現場での手順)
- 土質の目視・触感確認
- 砂・礫主体か、粘性が強いか、有機物が多いかを観察。
- コーン指数の測定
- コーンペネトロメーターで強度を測定。
- 分類表と照合
- 上記表に当てはめて種別を決定。
- 必要に応じて含水比や粒度分析を実施
まとめ
- 第1種:砂・礫で最も安定、コーン指数基準なし。
- 第2種:砂質・礫質でコーン指数800以上。
- 第3種:粘性土・火山灰質でコーン指数400以上。
- 第4種:さらに柔らかい粘性土・有機質土でコーン指数200以上。
現場では、目視・触感・コーン指数測定を組み合わせて判別するのが基本です。判別結果は再利用や処分方法の選定に直結するため、確実な判定が求められます。