
この記事のポイント
- 土砂バンク=余る工事と足りない工事の土を回すしくみ
- 国・県のしくみは、おもに公共工事の土が対象
- 民間工事の土は、近くの受入先やほしい人に自分でつなぐ
「土砂バンク」という言葉は、公共工事の土の行き先を調べていると出てきます。名前は似ていますが、残土バンクとは別のものです。この記事では、国や自治体の「土砂バンク」「マッチング」のしくみと、民間の工事の土をどうつなぐかを、図でわかりやすくまとめます。
土砂バンクとは:工事と工事のあいだで土を回すしくみ

工事では、ある現場で土が余り(発生土)、別の現場で土が足りない(土がほしい)ということがよく起きます。余った土を捨てて、足りない土を買うと、どちらにもお金がかかります。そこで、出す工事と使う工事の情報を集めて、土を回すしくみがつくられてきました。これを「土砂バンク」や「建設発生土のマッチング」と呼びます。
土は重く、遠くへ運ぶほどお金と時間がかかります。そのため、こうしたしくみは地域ごとにつくられているのが特徴です。
国・自治体のおもなしくみ
しくみ | だれが | どんなもの |
|---|---|---|
建設発生土の官民有効利用マッチング | 国土交通省(2015年6月から) | 公共工事と民間工事、民間工事どうしの土の融通を進める。申請の窓口は日本建設情報総合センター(JACIC) |
北海道「土砂バンク」 | 北海道地方建設副産物対策連絡協議会(北海道開発局・道など) | 官民一体で発生土の情報を共有する。実施要領は2026年4月9日付で、試行として運用 |
県の受入地の公募・登録 | 各都道府県・土木事務所 | 公共工事の土を受け入れる民間の土地や施設を募集・登録する(福岡県、長野県、兵庫県など) |
受入価格の公表 | 大阪府など | 受入事業者の場所と単価を年2回まとめて公表する |
都道府県ごとのしくみは、公共工事の受入地 公募・登録まとめに一覧にしています。
公共工事の土と、民間工事の土のちがい

国や県のしくみは、おもに公共工事の土を対象にしています。発注者(国・県・市)が工事の計画を立てるときに、土の出し先や仕入れ先を調整するためのものです。
一方、家の基礎工事、外構工事、解体工事、民間の造成などで出る土は、出す人が自分で行き先を探すことがほとんどです。量が数十㎥〜数百㎥と小さめで、工期も短いため、公共のしくみにはのりにくいのです。
- 公共工事:発注者が調整。県の公募に申し込んだ受入地や、指定の処分場へ運ぶ。
- 民間工事:元請や工務店が自分で受入先を探す。近くの土場・処分場や、土がほしい人に渡す。
残土バンクは「民間の土」をつなぐ場所
残土バンクは、民間の会社(株式会社暁)が運営する、残土の掲示板と受入先の地図です。国や自治体の「土砂バンク」とは関係ありませんが、目的は同じで、近くで土を回して、捨てる土と買う土を減らすことです。
- 「土を出したい」「土がほしい」を30秒でかんたん無料投稿できる(会員登録なしで始められる)
- 国土交通省のストックヤード運営事業者の登録簿などをもとに、全国約1,600か所の受入先を地域から探せる
- 受入先のデータはCSVでも配布している
公共工事の土でも、発注者の調整がつかないときや、少量の土を近くで回したいときに使えます。
公共のしくみを使うときのポイント
土を受け入れたい(受入地になりたい)とき
県の公募は、多くが年1回、決まった時期に行われます(福岡県は1〜3月ごろ)。受け入れる量(数百㎥以上)、ダンプが入れる道、盛土規制法などの許可がそろっていることが条件になることが多いです。申し込んでも、搬入が約束されるわけではありません。
土を出したいとき
公共工事なら、まず発注者に、工事間利用や指定の処分場があるかを確認します。民間工事なら、近くの受入先か、土がほしい人を探します。どちらでも、500㎥以上の工事では、搬出先の確認と受領書の保存が必要です(建設発生土の搬出ガイド)。
よくある質問
「土砂バンク」は全国にありますか?
「土砂バンク」という名前で運用しているのは一部の地域です。多くの県では、公募・登録・価格公表など別の名前のしくみがあります。
個人でも土砂バンクを使えますか?
公共のしくみは、おもに公共工事の発注者・受注者向けです。個人や小さな工事なら、残土バンクのような民間の掲示板のほうが使いやすいでしょう。
参考資料
- 国土交通省:建設発生土の官民有効利用に向けたマッチングの強化(2015年6月11日)
- 北海道開発局:土砂バンク 実施要領(2026年4月9日)
- 大阪府:建設発生土受入価格及び再生土販売価格調査
- 国土交通省:建設工事から発生する土の搬出先の明確化等(資源有効利用促進法 省令改正の概要)
※本記事の内容は2026年11月3日時点の情報をもとにしています。法令・条例・料金は改正や地域によって異なるため、実際の手続きの際は必ず各行政機関・事業者の最新情報をご確認ください。
この記事について
残土マッチングサービス「残土バンク」を運営する株式会社暁の編集チーム。残土(建設発生土)の処分・受入・法規制について、公的機関の一次情報をもとに記事を作成しています。編集方針
