河川計画(治水と利水の考え方)の用語(図解)|工事苑 17語 | 残土バンク
残土バンクロゴ

工事苑 › 土木

河川計画(治水と利水の考え方)の用語(図解)17語

川の計画がどう決まるか。河川整備基本方針と河川整備計画、基本高水と計画の規模・対象降雨、流出計算、超過洪水と流域治水、正常流量・維持流量・水利流量。

この分野の目次(17語を一覧で)

印刷・社内配布は自由です。出典に「残土バンク https://www.zandobank.com/koujien/c/kasen-keikaku」とお書きください。

方針と計画4語

  • 基本方針長期の方針基本高水・配分計画高水流量

    かせんせいびきほんほうしん

    河川整備基本方針

    河川管理者が水系ごとに定める、長期的な河川の整備の方針。基本高水とその配分、主要な地点の計画高水流量・計画高水位などを定めます(河川法第16条)。

    勘違いしやすい:具体的な工事の内容と時期は、河川整備計画のほうで定める。

  • 整備計画(20〜30年)基本方針に向かって段階的に

    かせんせいびけいかく

    河川整備計画

    河川整備基本方針に沿って、おおよそ20〜30年の間に行う具体的な整備の内容を定める計画(河川法第16条の2)。

    勘違いしやすい:現況の施設能力を上回る洪水の発生にも配慮する。

  • 貯める防ぐ備える流域全体で

    りゅういきちすい

    流域治水

    河川管理者が行う対策に加え、流域のあらゆる関係者が協働して、流域の特性に応じて取り組む水害対策。

    勘違いしやすい:上流や支川の整備は、氾濫していた水を下流や本川へ集めることにもなる。流域全体のバランスを見る。

  • 霞堤輪中堤

    かすみてい・わじゅうてい

    霞堤・輪中堤

    霞堤は、途中を開けて重ねるように築いた不連続な堤防。輪中堤は、集落などを囲む堤防。どちらも沿川の遊水機能を生かした治水に使われます。

    勘違いしやすい:浸水を前提にする区域が生じるので、土地利用と一体で、地域の合意のもとで進める。

洪水を決める10語

  • 時間流量基本高水のピーク

    きほんこうすい

    基本高水

    洪水防御の計画の基本となる洪水のハイドログラフ(流量の時間変化)。計画基準点ごとに定めます。

    勘違いしやすい:その川で起こりうる最大の洪水ではない。計画の規模を超える洪水(超過洪水)にも配慮する。

  • 計画基準点水理・水文の資料がそろう地点

    けいかくきじゅんてん

    計画基準点

    基本高水を定める地点。過去の水理・水文の資料が十分にあり、解析の拠点となり、計画全体と密接に関係する地点を選びます。

    勘違いしやすい:施設ごとに対象降雨を変えてもよいが、計画全体の整合は保つ。

  • A級200年以上B級100〜200年C級50〜100年D級10〜50年E級10年以下超過確率年(目安)

    けいかくのきぼ

    計画の規模

    計画の対象とする地域の、洪水に対する安全の度合い。一般に、対象降雨の降雨量が1年に何分の1の確率で超えられるか(年超過確率)で表します。

    勘違いしやすい:降雨の超過確率と、洪水のピーク流量の超過確率は1対1に対応するとは限らない。

  • 毎年、同じ確率で起こりうる1/100 = 100年に1回の確率

    ねんちょうかかくりつ

    年超過確率(確率年)

    ある雨量や流量が、1年の間にそれを超える確率。その逆数を「〜年に1回」の確率年で表します。

    勘違いしやすい:100年に1回の雨が、100年に1回しか降らないという意味ではない。毎年その確率で起こりうる。

  • 時間分布地域分布+降雨量(計画の規模)

    たいしょうこうう

    対象降雨

    基本高水を求めるもとにする雨。降雨量、降雨量の時間分布、降雨量の地域分布の3つの要素で表し、計画基準点ごとに選びます。

    勘違いしやすい:単純に引き伸ばすと著しく不合理になる場合は修正する。

  • 確率雨量将来の雨×倍率2℃上昇時の倍率

    こううりょうへんかばいりつ

    降雨量変化倍率(2℃上昇)

    温暖化で将来増える雨を計画に反映するため、確率雨量に掛ける倍率。2℃上昇したときの、現在の気候と将来の気候の降雨量の比です。

    勘違いしやすい:倍率を使うときは、すでに温暖化の影響を含んでいるおそれがある近年の実績降雨を、確率計算の標本に入れない。

  • 流域流量貯留関数法・タンクモデルなど

    りゅうしゅつけいさん

    流出計算(洪水流出モデル)

    降った雨が川にどれだけ流れ出るかを計算して、雨を流量に変えること。貯留関数法、準線形貯留型モデル、タンクモデルなどがあります。

    勘違いしやすい:小さな流域で、洪水調節などの貯留効果を考えなくてよい場合は、合理式法を使える。

  • 降雨強度×流域面積→ ピーク流量貯める効果がない小流域向け

    ごうりしきほう

    合理式法

    降雨の強さと流域の面積などから、洪水のピーク流量を求める簡単な流出計算の方法。

    勘違いしやすい:ダムや遊水地のように貯めて調節する効果は扱えない。

  • 時間流量基本高水河道へ(計画高水流量)ダム・遊水地で調節

    こうずいのはいぶん

    洪水の配分(計画高水流量の決定)

    基本高水を、河道とダム・調節池・遊水地などの洪水調節施設に合理的に割り振り、主要地点の計画高水流量を決めること。

    勘違いしやすい:沿川の現在と将来の土地利用の状況も、検討すべき事項に入る。

  • 時間流量計画の規模超過洪水

    ちょうかこうずい

    超過洪水

    計画の規模を超える洪水。計画は起こりうる最大の洪水を目標にしていないので、超過洪水による被害を流域全体でできる限り小さくするよう配慮します。

    勘違いしやすい:超過洪水が起きたときは、近年の洪水の状況を踏まえて基本高水を見直す検討をする。

平常時の流量3語

  • 維持流量水利流量正常流量

    せいじょうりゅうりょう

    正常流量

    維持流量と水利流量の両方を満たす流量。適正な河川管理のために、基準となる地点で定めます。

    勘違いしやすい:年間の変動パターンを考えて、期間を区切って設定することがある。

  • 舟運漁業清潔の保持塩害の防止河口閉塞の防止動植物区間ごとに設定

    いじりゅうりょう

    維持流量

    舟運、漁業、流水の清潔の保持、塩害の防止、河口の閉塞の防止、動植物の生息・生育などを総合的に考えて定める、川に流しておくべき流量。

    勘違いしやすい:項目によっては、流量の確保より施設の設置や改良で対応したほうがよい場合もある。

  • 農業・水道などの取水許可水利権と慣行水利権

    すいりりゅうりょう

    水利流量

    流水の占用(取水)のために、川に確保しておくべき流量。各取水地点で必要な水位と水量を把握して決めます。

    勘違いしやすい:水利使用の実態が変われば、適宜見直す。

定義は公的機関の公開資料をもとに残土バンク編集部が書いています(各語に出典と確認日)。発注者の仕様書・基準が優先します。誤りに気づいた方は info@zandobank.com へ。