
この記事のポイント
- コンクリートがらは産業廃棄物。残土とはちがう
- 土とまぜると、土までぜんぶ産廃になって高くつく
- 分けて出せば、がらは再生砕石(RC-40)になる
掘削すると、土と一緒に古い基礎や舗装のコンクリートがら(コンクリート塊)が出てきます。これは残土(建設発生土)ではありません。扱いを間違えると、土まで産業廃棄物として処理することになり、処分費が何倍にもなります。この記事では、コンクリートがらと残土の違い、混ざった土がどうなるか、コンクリートがらがどこへ行って何になるか(再生砕石)を、現場の順番で説明します。
コンクリートがらは「がれき類」という産業廃棄物

工事で出たコンクリート塊・アスファルト塊・れんが片などは、廃棄物処理法で産業廃棄物の「がれき類」(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物)に当たります。土砂が「廃棄物ではない」のに対して、がれき類は廃棄物なので、次の違いがあります。
残土(建設発生土) | コンクリートがら(がれき類) | |
|---|---|---|
法律上の扱い | 廃棄物ではない。資源有効利用促進法の指定副産物 | 産業廃棄物(廃棄物処理法) |
運ぶとき | 受領書(2023年5月以降の契約、500㎥以上) | 産業廃棄物管理票(マニフェスト)、収集運搬業の許可が必要 |
行き先 | 工事間利用、ストックヤード、受入地 | 中間処理施設(破砕)→ 再生砕石として利用 |
費用の目安 | 受入料は㎥あたり。土質で変わる | 処理費はtあたりが多い。分別が悪いと高くなる |
なお、解体工事や一定規模以上の工事では、建設リサイクル法によってコンクリート塊は「特定建設資材」として分別解体と再資源化が義務づけられています。対象は、床面積80㎡以上の建築物の解体、500㎡以上の新築・増築、請負代金1億円以上の建築物の修繕・模様替え、500万円以上の土木工事などで、着工の7日前までに発注者が都道府県知事へ届け出ます。
混ざった土はどうなるか

いちばん費用がかかるのは、土とがらが混ざったままになったときです。混合物は「土」として受入地に持ち込めず、産業廃棄物として処理することになります。土は重いので、t単価の処理費がそのまま効きます。
現場で守ることは3つです。
- 掘削の順番を分ける:舗装・基礎を先に壊して搬出してから、土を掘る。同時に掘ると必ず混ざります。
- 仮置きを分ける:土の山とがらの山を離して置く。境目にシートや単管で仕切りを作ると、重機のオペレーターが混ぜにくくなります。
- 混入の許容を受入地に確認する:受入地によっては「小さなコンクリート片が少量混じる程度なら可」と条件を出しているところもあります。受入地のページの受入条件を見て、分からなければ事前に聞きます。
小規模な外構工事や庭の工事でも同じです。鉢の土や庭の土を出すときに、コンクリートの破片やブロックを混ぜると、受け入れてもらえなくなります。
分別しきれないときの現実的な手
古い基礎の周りや埋設物の撤去跡では、どうしても土に小さな破片が混じります。その場合は、スケルトンバケット(網状のバケット)やふるい機で土とがらを分ける方法があります。手間はかかりますが、混合物として全量を産業廃棄物処理するよりは安く済むことがほとんどです。分別後の土は、受入地に「ふるい分け済み、径○cm以下の破片が少量混入」と正直に伝えれば、受け入れてもらえる場合があります。
コンクリートがらはどこへ行って、何になるか

コンクリートがらは、中間処理施設で破砕・ふるい分けされて再生砕石になります。代表的なのがRC-40(再生クラッシャラン、最大粒径40mm)で、道路の路盤材や駐車場の下地、仮設道路の敷砂利などに使われます。コンクリート塊の再資源化率は国の調査で9割台後半に達しており、建設副産物の中ではもっともリサイクルが進んでいる品目です。
つまり、コンクリートがらは「捨てる」のではなく「砕石に戻す」ものです。分別して出せば処理費は抑えられ、場合によっては近くの中間処理施設から再生砕石を買い戻して現場で使うこともできます。残土と再生砕石の往復(土を運んだダンプの帰りに砕石を積む)は、運搬費を下げる定番の工夫です。
残土にも関係する「コンクリート」の話
土工の現場でコンクリートが関わる場面は、がら以外にもあります。
- 生コンの洗い水・残コン:ミキサー車の洗浄水や余った生コンは、固まる前は建設汚泥(産業廃棄物)として扱われます。土の仮置き場に流すと、土ごと汚泥扱いになることがあります。
- 固化材で改良した土:セメント系固化材で改良した土は、改良土として建設発生土の区分(第2b種など)で扱われますが、六価クロムの溶出試験など、改良材ごとの確認が求められます。
- コンクリート基礎の撤去後の土:基礎の下の土は、がらの細かい破片が混じりやすいので、ふるい分けてから残土として出すと受け入れられやすくなります。
書類と費用の整理

段階 | 残土 | コンクリートがら |
|---|---|---|
着工前 | 再生資源利用促進計画書(搬出先の記載・事前確認) | 建設リサイクル法の届出(対象工事)、処理委託契約 |
搬出 | 土質・土量の記録 | マニフェスト交付、許可業者による運搬 |
完了 | 受領書の保存(5年) | マニフェストの返送確認・保存(5年) |
費用は「分別できていれば安く、混ざれば高い」の一言に尽きます。見積もりを取るときは、残土とがらを別々の行で出してもらい、それぞれの単価の単位(㎥かtか)をそろえて比べてください。残土の出し方の全体像は建設発生土の出し方・受け方 実務ガイド、残土そのものの定義は残土とは?を参照してください。
よくある質問
Q. アスファルトがらも同じ扱いですか?
はい。アスファルト・コンクリート塊もがれき類(産業廃棄物)で、破砕して再生アスファルト合材や再生砕石の材料になります。コンクリートがらと混ぜずに分けて置くと、処理費が下がることがあります。
Q. 小さな外構工事で出た少量のコンクリート片はどうすればいいですか?
量が少なくても産業廃棄物であることは変わりません。工事で出たものは、事業者が許可業者に委託して処理します。施主が自分で処分する場合は、自治体によって受け入れの可否や条件が違うので、自治体の案内で確認してください。土と混ぜて出すのは避けてください。
Q. 再生砕石はどこで買えますか?
コンクリートがらを受け入れている中間処理施設(砕石プラント)で、RC-40などの再生砕石として販売していることが多いです。残土を持ち込む受入地の近くに砕石プラントがあれば、帰りの便で積んで戻ることで運搬費を抑えられます。
まとめ
- コンクリートがらは産業廃棄物(がれき類)。残土(建設発生土)とは法律も書類も行き先も違う。
- 土とがらが混ざると土まで産業廃棄物扱いになり、処分費が跳ね上がる。掘削の順番と仮置きの分離で防ぐ。
- がらは破砕して再生砕石(RC-40など)になり、路盤材として使われる。再資源化率は9割台後半。
- 残土の運搬と再生砕石の購入を組み合わせると、運搬費を下げられる。
土を出したい方・欲しい方は、残土バンクに投稿すると近くの相手に自動で届きます。投稿・検索・問い合わせ・成立に手数料はかかりません。
参考資料
- 環境省:産業廃棄物の種類(がれき類)
- 国土交通省:平成30年度 建設副産物実態調査結果(暫定値)
- 国土交通省:令和6年度 建設副産物実態調査(審議会資料)
- 国土交通省:建設工事から発生する土の搬出先の明確化等(資源有効利用促進法 省令改正の概要)
※本記事の内容は2026年10月13日時点の情報をもとにしています。法令・条例・料金は改正や地域によって異なるため、実際の手続きの際は必ず各行政機関・事業者の最新情報をご確認ください。
